Haines氏は、USGSの海岸地質学者と海洋学者の、海岸変化予測という目的で地形が海岸の変化に与える影響を理解する取組みについて紹介した。USGSのプログラムは幅広く、多くの問題と環境について取り組んでいるが、ここでの焦点は、侵食と砂浜システムの展開におかれた。
発表では3つの主要点が示された:
1) マッピングによる地域的海岸システムのための概念上の(一部量的な)『堆積物予算』モデル開発の説明と
(側方監視、地中探知レーダー、音響測深)と地理学の解釈、
2) 多様な時間スケールにおける海岸線付近での海岸変化のモニタリングとモデル化(LIDAR, GPS 地形図と海底地形図)、
3) 地理的枠組みと海岸線変化に基づいた、我々の海岸変動についての理解を、テストし改良するための現地実験と多様なモデルの適用
上記に説明された要素は、将来の自然・人的影響の実際的なシナリオが与えられた海岸変動予測に必要な、科学と情報の基盤を提供している。
最後に、発表では、さらに幅広く環境的な、資源マネジメント問題を支援するため、流砂系において海岸変動を予測するための、多くの取組みの中のいくつかが示された。
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NILIMの鳥居氏は自然状態では大量の土砂によって形成された日本の海岸について説明した。その中で、河川変形、砂利撤去、海岸構造に大きく影響された現在までの堆積システムの変遷についてもふれられた。NILIMによる解析は、日本の海岸の侵食問題の規模と位置についての概要を明らかにした。これにより、漂砂系が河川流域から海岸に至る流砂系の観点から、位置付けられた。また、河口部がこのプロセスを理解する上で重要であることを明らかにした。NILIMの2つのプロジェクトは:
1) 安部川流砂系における、土砂運搬と堆積変遷の解明に取組み。河川の砂利採取量の大幅な変化が、海岸に多大な影響を及ぼした。本研究は、関連した潜在的に相反する、洪水災害コントロールと海岸侵食の問題へ科学的な計画を定めた。
2)河川プロセスと海岸プロセスが相互作用するところである河口部での堆積システムとそれに対応するプロセスを説明するための研究アプローチが説明された。
これらのプロジェクトは、海岸システム研究のための大まかな枠組み(流砂系)を示し、また、研究にとって重要な領域(河口)と重大な問題(豪雨プロセス、土砂採取)を示した。
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