土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

耐震性を進化させた装置

大変位加振付加装置

地震時の構造物は、死荷重に加えて水平方向の力が繰返し作用します。土木研究所で保有している大変位加振負荷装置は、死荷重を模擬した軸力を載荷しながら、地震動を想定した水平力を載荷することができます。
下の動画は本装置を使用して、鉄筋コンクリート橋脚の補強工法の適用性に関して検討した例です。

平成7年兵庫県南部地震では、橋脚などの多数の橋梁下部構造に損傷が発生したため、耐震設計法の高度化及び耐震補強の必要性が認識されるようになりました。土木研究所では兵庫県南部地震直後から、耐震設計法の信頼性向上や補強工法の適用性について本装置を使用して検討が行われ、じん性を考慮した設計法や、現場に対応した耐震補強工法の開発に貢献しました。

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この耐震設計法に関する研究の成果は、道路橋の設計で遵守しなくてはならない「道路橋示方書・同解説」へ反映されています。
土木研究所CAESARでは大型の試験機を活用した実大スケールの実験を行い、道路橋の設計方法の検討およびその根拠となる研究に取り組んでいます。

道路橋示方書・同解説
コンテンツ作成:江口 康平
更新日:2021/8/25