土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

電磁波レーダーによる点検

近年、道路橋の舗装の下にある床版がボロボロになる現象(以下、土砂化)が問題となっています。床版の土砂化は、現状の床版下面からの目視点検では進行するまで劣化の兆候を発見することができないが、一度発生すると補修コストが多大にかかることため、進行する前に検知し、簡易な措置で防ぐ必要があります。 床版の土砂化の発生メカニズムは解明されていないものの、床版上面に溜まる水分が主な発生原因ではないかと言われています。床版上面の水分を検知することによる床版の予防保全を実現するために、電磁波レーダー等の非破壊検査技術を活用して、舗装をはがさないで舗装の下の水分を検知する手法の開発を行っています。 しかし、電磁波レーダーにより得られる膨大なデータを効率的に分析できることが必要となってきます。そのため、電磁波レーダーで得られたデータをもとにAI技術を活用して、床版上面の滞水を可視化する技術開発を進めています。 具体的には、電磁波レーダーによる計測データと床版上面の水分量データを教師データとして整備し、AI学習モデルを構築します。構築した学習モデルをアプリ化し、電磁波レーダーによる計測データを取り込むことで、床版上面の滞水結果を自動出力するシステムを構築します。 将来、この技術を現場導入することで、早期に床版上面の滞水を検知し、遮水・排水などの簡易な措置を行うことで、予防保全を可能とする。

測定
計測データ
機械学習
アプリ化
床版上面滞水推定結果
コンテンツ作成:藤木 裕二
更新日:2021/8/25