土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

横断歩道橋の健全性診断の事例

全国の道路に多数設置されている横断歩道橋は、道路橋と同様に経年劣化事例が報告されており、これまで著しい腐食が生じた横断歩道橋を対象に、詳細調査や今後の対応について技術支援を行いました。
横断歩道橋は構造の類似性から標準設計に準じて設計されており、標準設計では床版は厚さ3.2㎜の波形鋼板の凹部に無筋コンクリートで充てんされ、その上にモルタルやアスファルトブロックが施工されています。そこで、床版を対象に目視による外観調査が行われ、橋面上のアスファルトブロックや目地に多数のひび割れ、滞水痕、地覆鋼板の著しい腐食が確認されました。調査結果から、鋼板の腐食が推測され、腐食状態によっては床版の鋼板がコンクリート塊を伴って突然落下する危険性があることから、第三者被害防止対策並びに通行止めが行われた上で、詳細調査と緊急対策の検討が行われました。
詳細調査として、鋼板上のコンクリート等を除去し鋼板の状態の確認が行われ、広範囲の鋼板で腐食が確認されるとともに、断面欠損する箇所も多く確認されました。

横断歩道橋上部工断面図 図-1 横断歩道橋上部工断面図
橋面上の状況 写真-1 橋面上の状況
鋼板上面の状況 写真-2 鋼板上面の状況

詳しくはこちらへ
横断歩道橋の健全性診断の事例、土木技術資料、Vol.60、No.3、pp.51-52、2018.