土研ニュース

国際洪水イニシアティブ(IFI)第2回諮問委員会がカナダ・トロントで開催


     IFIのロゴマーク
 
       トロントの風景

会議の様子
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 5月5日、カナダ・トロント市にある「巨大災害減災研究所(ICLD)」において、本会合が開催されました。本会合は引き続き同市で行われた「第4回国際洪水防御シンポジウム(ISFD4)」の機会を捉えて行われました。

 世界で発生する洪水は統計的にもその数を近年顕著に増加しつつあります。関係機関の洪水管理に関する努力を効果的に統合するためには可能な限り重複を減らし、必要な領域の活動を着実に行えるよう、互いに情報交換と調整を行いながら進めてゆく必要があります。国際洪水イニシアティブ(International Flood Initiative: IFI)はこの目的のため、関係国連機関及び国際的機関による取り組みを推進するため2007年1月に組織された国際的枠組みです。IFIの中心メンバーはユネスコ、世界気象機関(WMO)、国際防災戦略(ISDR)及び国連大学であり、土木研究所ICHARMはその事務局の役割を果たしています。 
 今回は上記機関の他、国際水科学学会(IAHS)、国際水文学会(IAHR)及びICLDの関係者の出席により開催されました。
 会議の結果、関係機関は今後調査研究、教育訓練、情報交流、技術協力の各分野においてより統一的、組織的な活動を行うことを旨として、今後詳細なロードマップ作成と関連活動を進めることとしています。

(問い合わせ先:ICHARM 特命事項担当)


 

   

「道路舗装研修」で舗装技術に関する講演を行いました


ポンチ絵

イメージ図

研修の全体

 土木研究所では、研究だけでなく他の団体等が実施する講演会や研修に、要請を受けて研究者を講師として派遣して、広く技術の普及に努めております。
 去る4月22日、(財)全国建設研修センターで実施された「道路舗装研修」において、舗装技術に関する講演を行いました。
 本研修は、産官の舗装担当者30名程度が参加し、舗装に関する様々な講義を5日間に渡り行うものです。本研修において、特別講義として以下の内容について講演を行いました。

(1)舗装の性能規定化の動向について
 舗装分野ではH13年度までは、使用材料を指定し舗装の厚さなど規定する品質規定で舗装がされていましたが、H13年度からは国道の舗装工事を中心に耐久性や低騒音など舗装に要求される性能を定め、使用材料を問わない性能規定で施工されるようになりました。
 品質規定は材料の仕様が決められていたのに対し、性能規定は、簡単にいうと要求される性能を満たせばよいだけなので、1)設計の自由度が高まること、2)新しい技術や材料が自由に使えること、3)技術革新やグローバル化への柔軟な対応が促進されること等の利点があります。この舗装の性能規定化について、その考え方やなぜ性能規定化なのか等について説明しました。

(2)舗装の新技術について
 これまでの実績から補修・補強技術の確立、騒音・環境対策などが課題としてあり、それらの対応としてなされている取り組みの一部として最新の舗装技術について、その開発動向等について報告を行いました。特に近年は環境に対する関心が高く、環境改善に資する舗装技術の開発が期待されており、ヒートアイランド対策のための遮熱性舗装や保水性舗装を紹介しました。また、こうした技術を積極的に採用する環境づくりとして、性能規定化に関する検討が進められています。

(問い合わせ先:舗装チーム)

   

自然共生研究センター 〜「実験河川ガイドウォーク」がはじまりました〜


iPodには映像情報が入っています。

実験河川には約30枚のサインパネルが
設置されています。


ガイドウォークの利用手順

 自然共生研究センターでは、全長800mの実験河川を使って、自然環境の保全や復元に関する研究を行っています。実験河川はどなたでも自由に見学することができ、スタッフによる解説を聞きながら実験の様子を間近で観察できます。
 しかし、河川を題材にした自然観察では、フィールドにおけるその対象の捉えにくさが指摘されています。例えば、水中の状況は視覚的に制限されるため、陸上から詳しく見ることができません。また、洪水など川の流量変動を見るには、そのタイミングを合わせることが必要です。
 そこで、実験河川ガイドウォークでは携帯情報端末(iPod※)を導入し、これらの捉えにくいと考えられる河川の現象を映像に記録しました。iPodには魚類の生息状況や洪水による冠水の様子、実験河川で行なわれた実験の様子、最新の研究成果等が1分程の短編映像に編集して取り込まれています。実験河川沿いに立てられた約30枚のサインパネルに記された番号をiPodで再生すると、実際のフィールドを観察しながらこれらの情報を視聴することができます。
 2008年5月23日には岐阜大学工学部の学生(14名)を招き、実験河川ガイドウォークを体験してもらいました。アンケートの結果「いつもは見ることができない自然現象を映像で見ることができるのでいいと思う」、「iPodを持った参加者全員に確実に情報が行き届くので、全員が理解できる」との意見が聞かれました。一方、「外で映像を見るので画面が見えにくい」、「イヤーホンは両耳で聞くタイプが良い」などの意見もありました。
 iPodに取り込まれている映像は、自然共生研究センターのホームページで視聴することができます。また、iTunes※のPodcastsでも配信を行っているので個人が所有するiPodにもダウンロードが可能です。また、これらの映像は今後も研究の状況に合わせて随時更新していく予定です。
 見学希望者はこちらここからPodcastsの登録もできます)
※ iPodとiTunesはApple.incの商標です。

(問い合わせ先:自然共生研究センター)  

   

北海道洞爺湖サミットにあわせたセミナーを開催! 〜札幌


水環境に関する国際セミナー

世界の水問題に関するセミナー

水と親しむ子供たち
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 平成20 年6 月27 日(金) に、「水環境に関する国際セミナー」が、6月28日(土)に「世界の水問題に関するセミナー」が開催されます。
 G8北海道洞爺湖サミットでは、環境重視の日本を世界にアピールするために、地球環境(温暖化)変化の影響を受ける脆弱性の高い問題地域(アフリカとアジア)に着目し、サミットにあわせてこれらのセミナーが開催されます。
 27 日のセミナーでは、最近、世界で急速に関心が高まってきている地球規模環境問題に深く係わる「水と環境」、とくに北海道に広く分布する沖積氾濫原・湿地帯の生態系と地下水の保全と再生に関する現状および問題と課題を開発・管理のパラダイムから政策シナリオに展開させて討議し、北海道水・環境アジェンダ2008を提起します。本セミナーは水や環境問題に関心のある一般市民(研究、教育、NGO/NPO、行政、実務関係を含む)にもその現状や課題を知っていただくと共に意見交換の場ともなることが目的です。なお、セミナーは英語で行われますが、関係者を含めてお誘い合わせのうえ、ふるってご参加下いただければ幸いです。
 また、28日のセミナーでは、アフリカ・アジア地域の水問題について、広く国際交流や国際協力に関心のある一般市民(学校関係、NGO/NPO、行政関係を含む)に世界の水問題の現状を知っていただくと共に、途上国援助問題についての理解や意見交換の場ともなることが目的です。
 参加等の詳細は、下のリンクへどうぞ。
 27日の「水環境に関する国際セミナー」セミナー
 28日の「世界の水問題に関するセミナー」セミナー


寒地土木研究所で7月4日(金)5日(土)一般公開!


昨年の一般公開(1)

昨年の一般公開(2)

寒地機械技術チームの公開内容

 寒地土木研究所の研究内容や研究施設を、普段土木研究に接する機会の少ない一般の方々や、お子様達にも知ってもらい、当研究所の研究活動に対する関心や理解を深めていただきたいというイベントです。毎年7月の「国土交通Day」の時期に開催しています。
 楽しめる、遊べる、体験できる研究紹介を寒地土木研究所の13の研究チームおよび2つのユニットが趣向を凝らして取り組みます。
 また、今年度、寒地土木研究所に新しく発足しました寒地機械技術チームもブラックアイスバーン対応型小型除雪車展示などを行う予定です。
 今年で25回目を迎えるこのイベントは例年1,000名以上の皆様にご来場いただいております。今年も是非、職場で、学校で、ご家族で、ご友人同士でお誘い合わせの上、たくさんの皆様にご来場いただけますよう、職員一同心よりお待ち申し上げております。


平成20年7月4日(金)、5日(土)
9:00〜16:00(入場は15:30まで)
場 所:
札幌市豊平区平岸1条3丁目1番34号
 (独)土木研究所 寒地土木研究所
詳細はこちらのページへどうぞ。

   

北の道ナビ【多国語版】をリニューアルしました


繁体字中国語版(抄)

アクセス件数の推移

 寒地土木研究所が運営する北海道の道路情報総合案内サイト「北の道ナビ(http://n-rd.jp/)」では、四季を通じて道路利用者が安全・安心・快適な移動を情報提供から支援することを目的に、道路・気象情報や沿道や地域の情報などを高度に組み合わせ、様々な利用場面やニーズに応じた情報提供を行っています。このサイトでは、「距離時間検索」機能やこれに対応したルート上の通行止め情報や峠の画像、沿道景観、道の駅の情報なども提供しています。
 北の道ナビは、日本語だけでなく英語版も平成14年に開設し、韓国語版・繁体字中国語版・簡体字中国語版を平成17年6月に開設しています。
 今回、これらサイトの利用状況や、外国人観光客によるドライブ観光の促進などを踏まえて、多国語版サイトをリニューアルしました。ポイントは以下の通りです。

1) 道路マップ、道の駅、経路案内の充実などドライブ観光を支援する情報を豊富に、かつわかりやすく提供した。
2) 外国語対応の既存他サイトとの連携によるドライブ情報の充実を行った。
3) 利用者ニーズの高い沿道景観情報をはじめ、北海道の魅力を発信する観光情報の充実を行った。