編集委員

独立行政法人 土木研究所 Webマガジン 編集委員
広報幹事会 (つくば) ; 幹事長 : 和田 一範  代表幹事 : 青木 栄治
         森木 晴美 鑓溝 敏雄 近藤 益央 菊地 稔
         幹事 : 佐藤 仁昭 山梨 高裕 鎌倉 亮 綾部 孝之 長屋 優子
         加藤 祐哉 加藤 俊二 傳田 正利 坂本 博紀 清水 武志 砂金 伸治
         清水 孝一 上仙 靖
         (寒地土研) ; 幹事長 : 吉井 厚志  幹事 : 太田 広 森 智
         二宮 嘉朗 高橋 守人 許士 裕恭 浅野 基樹 秀島 好昭 大内 幸則


編集後記
 先日、アナログテレビのチャンネルを回していると、偶然、哲学の講義番組を見つけ、最後まで見てしまいました。学生時代を思い出し、懐かしい気持ちになりました。小学校とか中学校の母校を偶然通りかかるとつい懐かしくなり立ち止まって見てしまうのと同じです。哲学は、法律の基礎となる学問なので、新たな問題に向き合った時、何かの判断を下すのに非常に役立ちます。芸は身を助けるといいます。
 1995年兵庫県南部地震が起こった日は、私は九州にいて、1限目の体育の授業で先生が大阪出身の生徒を気遣っていました(その時は震源地は大阪と思われていた)。その後、橋脚に鉄板を捲く映像をニュースで見て、その工法が、土木研究所で実験して対策として有効であると確認されて行われているとは、当時は知るよしもありませんでした。文系の私が土木研究所に転勤になって、見学者を3次元大型振動台に連れて行くと当時のことを思い出してしまいます。
 ゴールデンウィークで帰省してみると、私の実家の前の道路が水たまりの出来ない排水性舗装になっていました。その時、土地価格の評価項目に、接面道路の道路条件(幅員、舗装状態、連続性など)があるというのを思い出しました。土地評価の参考書は頻繁に改訂されないので、新しい舗装技術に対応していません。舗装状態の増価要因では特殊舗装として、商店街でよく見るカラーブロックくらいしか紹介されていません。ひび割れは減価要因とハッキリ書かれています。もし自分の土地が評価される時があれば、排水性舗装だから評価格は高いはずだとか、ひび割れがあってもシール材でしっかり補強されているから減価しないはずだとか、Webマガジンで勉強した結果を主張してみましょう。ただし、欲の皮がつっぱると、ドイツ観念論のカント*から、勉強しても道徳的な行為とは評価されずに、税務署から、固定資産税評価格が高く評価される可能性もありますので、気をつけましょう。
*カントは、ある行為が道徳的であるかどうかを、その動機を見てから判断します。
(佐藤 仁昭)