編集委員

独立行政法人 土木研究所 Webマガジン 編集委員
広報幹事会 (つくば) ; 幹事長 : 和田 一範  代表幹事 : 青木 栄治
         森木 晴美 鑓溝 敏雄 近藤 益央 菊地 稔
         幹事 : 佐藤 仁昭 山梨 高裕 鎌倉 亮 綾部 孝之 長屋 優子
         樋口 貴也 加藤 俊二 傳田 正利 坂本 博紀 清水 武志 砂金 伸治
         清水 孝一 上仙 靖
         (寒地土研) ; 幹事長 : 吉井 厚志  幹事 : 太田 広 森 智
         二宮 嘉朗 高橋 守人 許士 裕恭 浅野 基樹 秀島 好昭 大内 幸則


編集後記
 私が小学生の頃に大好きだったTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」が実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」となって上映されています。劇場版「宇宙戦艦ヤマト」と「さらば、宇宙戦艦ヤマト」も大好きで映画館に見に行った記憶があります。
 「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーは「2199年、地球は謎の宇宙人ガミラス帝国から侵略を受けていた。ガミラス帝国の攻撃により放射能に汚染された地球で人類は何とか生き延びていたが、あと1年で人類滅亡というところまで追い詰められていた。危機に瀕した地球にイスカンダル星から放射能除去装置を取りに来るようメッセージが発信された。メッセージを受け取った人類は宇宙戦艦ヤマトに生き残りを託し、遙か14万8千光年離れたイスカンダル星に放射能除去装置を取りに行くのであった」というようなものでした。当時、仮面ライダーとかウルトラマンのように善悪がはっきりしている番組が主流の中で、「ガミラス帝国は絶滅の危機に瀕しており、彼らも生き残りをかけて地球を侵略していた」というストーリーに衝撃を受けた覚えがあります。
 さて、現実の地球はどうでしょうか。宇宙から侵略などは受けている気配はありませんが、私たち人類には確実に危機が訪れようとしています。宇宙戦艦ヤマトの舞台となった2199年に人類は生き残っていないかも知れません。
 11月12日に寒地土木研究所講演会が行われ、地方独立行政法人北海道総合研究機構の丹保憲仁理事長が「環境の時代?」と題し特別講演を行いました。その中で丹保理事長は「近代の大成長によって地球が相対的に縮小(過密化)し、その構造的帰結として文明の大都市化が地球規模で起こっている(グローバリゼーション)。それに伴う様々な歪みによって近代は終焉に向かい、新時代を模索していくことになる。」と提起し、「近代の後期、すなわち環境制約の時代を迎え、我が国が文明の最先端にあることを自覚すれば、世界の最先端で後近代へ向かう地域として、新しい価値観による新文明を創造することができるだろう。」と、来たるべき時代を見据えて鋭く分析されました。
 14万8千光年の彼方まで行かなくとも、自らの努力で乗り越えられる危機もあるのです。寒地土木研究所もその技術の一端を担えるように、研究を続けていきます。
(木津田 博文)