編集委員

独立行政法人 土木研究所 Webマガジン 編集委員
広報幹事会 (つくば) ; 幹事長 : 和田 一範  代表幹事 : 青木 栄治
         森木 晴美 上仙 靖 山梨 高裕 鑓溝 敏雄 近藤 益央 菊地 稔
         幹事 : 高橋 大樹 風間 隆次 綾部 孝之 長屋 優子
         古賀 裕久 藤田 智弘 傳田 正利 坂野 章 山越 隆雄 砂金 伸治
         清水 孝一 花井 拓
         (寒地土研) ; 幹事長 : 小笠原 章  幹事 : 小町谷 信彦 太田 広
         森 智 片倉 浩司 高橋 守人 許士 裕恭 浅野 基樹 鎌田 貢次 堀内 宏


編集後記
 私は1963年生まれである。古い言葉で恐縮だがいわゆる「戦争を知らない子供たち」の世代である。第2次世界大戦が終了したのが1945年なので、あの悲惨な戦争が終わってから18年しかたっていない時期である。しかし、子供の頃に感じていた世の中の空気は、今よりもとても平和で暖かい感じがする空気だったような気がする。それはきっと「戦争を知っている大人たち」が沢山いたからではなかったか。「戦争を知っている大人たち」が「戦争を知らない子供たち」に戦争の悲惨さを伝え、戦争を起こさないためにはどうするべきかということを真剣に考え行動していたので、世の中の空気も平和な世の中を作っていこうという気に満ちていたのではないか。
 そして現在である。人々が慎ましく暮らしていた街はがれきの街と姿を変え、行方の知れない肉親を捜し回る人たち。原子力発電所は爆発で外壁が吹き飛び、処理におわれる消防隊員や自衛隊員など。「戦争を知らない子供たち」だった私にも「戦争が終わった後はこうだったのではないか」と思うほど、東北地方太平洋沖地震がもたらした被害は衝撃的だった。
 私は直接的に震災の被害にあった訳ではないが、これから生まれてくる「震災を知らない子供たち」に是非、伝えていきたいことがある。それは国家権力、地域行政というものがほぼ崩壊するほどの被害があった被災地にあっても、被災した人々自身が自発的に他人を助け、見事なまでに秩序を保っていることである。私の近所のスーパーマーケットでも起こった「買い占め」など東北の人たちには無縁であり、一人一人がみんなのことを考え行動している。震災にあった人たちのこうした行動は、後世に伝えていかなければならない。
 今は一日でも早い復興を願うだけである。
(木津田 博文)