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1.これから始まる、魚類調査の流れを説明しています |
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2.上流ゾーンでの魚類調査の様子 |
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3.中流ゾーンでの魚類調査の様子 |
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4.下流ゾーンでの魚類調査の様子 |
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5.つかまえたオイカワ |
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6.調査結果について話し合い、まとめています |
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岐阜県関市の瀬尻小学校が3泊4日の長期宿泊体験学習を行いました。そのうちの1日は淡水魚類調査交流活動として環境条件の異なる場所で淡水魚類の生息状況調査を実施し、当センターのスタッフが講師として参加しました。
調査場所である「関市立中池自然の家」周辺には池や川がありますが、当センターの担当は自然水路の調査でした。グループを3つに分け、それぞれ水路の上流・中流・下流で魚類調査をしました。やり方は、タモアミで草の陰や石の隙間をガサガサして生きものを捕まえるという方法です。
上流ゾーンは水路の両岸も底も土で植物が生い茂っています。中流ゾーンは両岸がコンクリートで護岸されていますが、底は土なので水路の中には植物が生い茂り、瀬や淵のように水深の深いところや浅いところがあります。下流ゾーンは両岸がコンクリートで護岸されており、底も部分的にコンクリートで固められています。
子どもたちの多くは、始めは慣れない様子でなかなか生き物を捕まえることができませんでしたが、講師の方に採り方や生きものが好むような場所を教えてもらうと、徐々に捕まえられるようになりました。カワムツやオイカワ、ヨシノボリ、ドジョウ、スジエビ、アメリカザリガニなどが採れました。
採れた生きものの数は、上流24匹、中流80匹、下流43匹でした。中流が最も多かった理由は、水深の浅いところがあったり、深いところがあったり、植物が生えているところがあったりと、川の中の環境が多様であったためだと思われます。また下流のコンクリート以外は底生魚のヨシノボリが多くみられ、川底にヨシノボリが好むような石と石の隙間があったことがうかがえます。
調査後、子どもたちは「関市立中池自然の家」に戻り、調査結果のまとめを行いました。当センターの講師もアドバイザーとして各グループの話し合いに参加しました。どうして自然水路の上流・中流・下流で生きものの数が異なったのか、生きものの種類が異なったのかなどを話し合い、意見を言い合いました。まとめられた調査結果は他の調査場所で活動していたグループの前で発表しました。他のグループは池やビオトープの調査結果を発表してくれました。どこもよくまとめられており、子どもたちからも活発な質問がされ、とても有意義な調査となりました。
また、人の手によって工事された単調な川では生き物が棲みにくくなったり、人間が持ち込んだ外来種は繁殖力が強く、他の生きものを追いやることも知りました。
今回の経験から、子どもたちは自分たちの生活と生きものがつながっているんだなと実感したのではないでしょうか。
(深尾 敦子)
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