[トッ プへ]  [管理に役立つ技術へ]

挿入式孔内傾斜計計測の標準化

地すべり地における挿入式孔内傾斜計計測マニュアル
  挿入式孔内傾斜計は、地すべりのすべり面決定に広く用いられている計測器ですが、しばしば発生する不良データによりすべり面や移動方向が不明な場合があり ます。そこで、その不良データを無くすことを目的とし、過年度に行った共同研究の成果に基づき書籍版マニュアルを作成しました。マニュアルでは、正しい観 測孔の設置・観測・測定値の検定と補正などができるための方法について説明するとともに、解析支援ソフトを提供しました。これにより、正しい地すべり変位 を確認し、適切な地すべり機構解析の下に、地すべり対策工がなされることを期待しています。

 書籍版マニュアルが平成22年7月に発行されました

書籍版マニュアルと従来のマニュアル(案)との違い

  これまで掲載していたマニュアル(案)は、半年程度の共同研究期間で得られた重要事項のみ記載したものに対し、書籍版マニュアルは3年分の研究成果やマ ニュアル(案)に寄せられた意見を反映したものであり、「解析手法、関連技術、良くある質問」の章を新たに盛り込むとともに、「設置、観測、検定、報告」 の章も全面的に改編・追記しております。また、固有誤差のバラツキの基準値なども見直しています。



注意 ! 本 マニュアルは地すべり地を計測対象としたものですが、軟弱地盤など観測対象が異なる現場にも概ね適用可能です。しかし、設置の際の充填材の配合の差異や、 観測される変動形態・変位量が異なること、および変位量が大きい場合は測定誤差の判定基準が適用外となることに留意する必要があります。

 
解析支援ソフト
 マニュアルに付随するソフトは、0点補正およびガイド管のねじれ補正機能を有した測定値補正ソフトと、観測結果の立体図を作成する 累積変位鳥瞰図作成ソフトの2種類です。ソフトの概要や使用時の留意点は以下のとおりです。

測定値補正ソフトver2.1

・0点補正:挿 入式孔内傾斜計計測の機構上、正しく計っても発生する誤差範囲内の0点ドリフト(グラフの傾倒)を補正して、正しく計ったデータをより良くする機能です。 基準値を超えて傾斜が生じているデータは、本ソフトでそれを直すのではなく、計測器の検定や再測定を行うことを推奨します。
・ ガイド管ねじれ補正:深い観測孔で生じることがあるガイド管のねじれに対して、方位計測結果に基づきねじれを補正する機能です。磁性を利用した測定器で方 位測定を行った場合は、測定値にバラツキや異常値が生じることがあります。この場合は、本ソフトには異常値の削除や移動平均によるバラツキの平滑化などを 行った値を入力します。

   ダウンロードはこちら

 


【変更履歴】

「inclinometer soft ver 2.0」→「inclinometer soft ver 2.1」

○変更
・データの処理を改善、一部変更

 


累積変位鳥瞰図作成ソフトver2.2

  観測結果をグラフ回転や赤青メガネにより立体的に図示するものです。入力するデータは、検定や0点補正を行ったデータの使用を推奨します。0点ドリフトが 生じている状態のデータは、地盤の変位を正しく示したものではありません(見る人によっては誤解を生じる可能性があります)。赤青メガネで立体視するため の「赤青メガネ作成キット」も入っています。






【変更履歴】

「3D_VIEW Ver.2.1」→「3D_VIEW Ver.2.2」

○変更
・dataシートの年月日入力欄の属性を、年月日時間が表示されるようにした 
・測定値の測定年月日のセルを、年月日時間(yyyy/mm/dd hh:mm)が表示できる幅に拡張した
・累積変位鳥瞰図の回転表示のマクロを、一部変更

「3D_VIEW Ver.2.0」→「3D_VIEW Ver.2.1」
○エラーの修正
・深度100m以上(測定0.5mピッチ)で100m以深のデータが表示されない
・深度100m以上(測定1.0mピッチ)で100m以深の0軸に変位0のデータが表示される
・「任意深度調整」ボタンで「キャンセル」がエラーとなる
・「変位スケール変更」ボタンで「キャンセル」がエラーとなる
○データ入力用のdataシートを追加
・dataシート追加に伴い、3Dシートへのデータ記入を廃止
・「3D」シートに1回分を入力していたこと廃止
・「data」シートに125回分まで登録する方式に変更
○3Dグラフ表示するデータをdataシートから転記する方式に変更
・登録された測定データをリストからの選択方式に変更
・初期値とするデータを選択可能とし、本ファイル上で任意測定回間の変位量の換算表 示が可能
○「操作方法」シートを追加
・「3D」シートに併記していた操作説明を消去。
・「操作方法」シートに改正した操作説明を記述。


 
参考資料

・関連の土木研究所資料および共同研究報告書

  土木研究所資料第4213号 2012.1 「地 すべり地における長尺の挿入式孔内傾斜計設置及び計測等に関するノウハウ[4.4MB]

  共同研究報告書第 430号 2012.1 「孔 内傾斜計データ不良の原因に関する実態調査と計測技術の改善・開発」[17.4MB]

  共同研究報告書第 397号2010.3 「孔 内傾斜計データ不良の原因に 関する実態調査と計測技術の標準化」[7.7MB]

 

 
・パッカーを使用したガイド管設置、ガイド管方位測定について、特記仕様書を作成しました。
・参考価格表を更新しました
       特記仕様書案はこちら  [wordファイル:37KB]  

・このページの最終更新は、2014年2月です。

よくあるお問い合わせ 

 よくあるお問い合わせ(FAQ)をこちらに 用意しております。お問い合わせの前にご確認ください。    

 

[トップ へ]  [管理に役立つ技術へ] 

 

国立研究開発法人 土木研究所 土砂管理研究グループ 地すべりチーム
TEL : 029-879-6787、 FAX : 029-879-6729
Copyright (C) 国立研究開発法人土木研究所