スリランカにおける洪水監視・予測・早期警報のためのリアルタイム雨量観測データ転送システムメンテナンス活動報告(JAXA・DIASプロジェクト)

 Rasmy主任研究員と玉川専門研究員はリアルタイム雨量観測データ転送システムのメンテナンスを目的に2024年3月7日から3月13日にスリランカを訪問しました。2015年2月に3台が設置され、その後、追加での設置やメンテナンスを継続し、現在スリランカ南東部や東部地域の6地点において稼働しており1時間ごとにリアルタイムに降雨データがスリランカ国からデータ統合解析システム(DIAS)に転送されています。これら機器の設置・保守や情報の提供は、JAXA GPMの枠組みの下での、同国灌漑局とICHARMにおける共同研究、また、文部科学省のデータ・統合解析システム(DIAS)水課題プロジェクトの枠組みの下で実施されています。

 ICHARMは、これらの地上観測雨量計からのデータ、GSMaP Realtime (GSMaP_NOW)データ、水文モデル(WEB-RRI)、数値気象予測を利用して、Kalu川流域を対象とした洪水監視・予測・早期警報のための先進的なシステムを開発し、現在、DIAS上で試験的に運用し、国家レベルの枠組み(IFI(国際洪水イニシアティブ)やIFIが推進する水のレジリエンスと災害に関するプラットフォーム)の枠組みのもとで最新の科学技術の成果をスリランカの水に関わる災害管理・軽減のためにどう活用するか実証しています。

at Kalawana Ratnapura Kalutara
Kalawana(左)、Ratnapura(中央)、Kalutara(右)における
リアルタイム降雨観測およびデータ転送システムの維持管理