「タイ王国における水のレジリエンスと災害に関するプラットフォーム」第1回全体会合がタイ・バンコクにて開催

 2024年3月25日に、タイ・バンコクにおいて「タイ王国における水のレジリエンスと災害に関するプラットフォーム」第1回全体会合が開催されました。ICHARMはこれまで、台風委員会の活動や名古屋工業大学が日本側代表を務める地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム「産業集積地におけるArea-BCMの構築を通じた地域レジリエンスの強化」(SATREPS Area-BCM)等を通じて同国における水災害リスク低減やレジリエンス向上をサポートしてきました。それらに基づいて今後のさらなる省庁間連携や最新科学技術の実装を加速させるために、タイ王国の水に関するステークホルダーはこの度、水のレジリエンスと災害に関するプラットフォームを立ち上げることとなりました。同プラットフォームはICHARMが事務局を務める国際洪水イニシアティブ(IFI)の活動としても位置付けられています。

 会合には16機関から計81名が参加しました。国家水資源局(ONWR)のSurasri Kudtimonton事務局長、鈴木和哉 JICAタイ事務所長、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の丸一大輔 氏による開会スピーチで会合が始まり、その後Thanet Somboon王立灌漑局(RID)・水管理部長、Payao Mungngamタイ気象局(TMD)・テクニカルサービス副部長、Boyboon Rassamethes水文情報研究所長(HII)、小池俊雄ICHARMセンター長によるハイレベルスピーチが行われました。これに続き、Supinda Wattanakarn RID水文局長から台風委員会水文部会の活動テーマの1つであるAOP7“水災害レジリエンスのプラットフォームを通じた洪水レジリエンス向上”について紹介されたとともに、プラットフォームの元での今後の活動のロードマップが示されました。

 その後、タイにおいて現在実施中のSATREPS Area-BCPプロジェクト、特にチュラロンコン大学で開発・実装している準リアルタイム洪水予測についての紹介があり、続いてフィリピンにおけるファシリテータ育成等、「水のレジリエンスと災害に関するプラットフォーム」の他地域での活動についての紹介がありました。タイ側からは、気候変動環境局(CCE)、タイ気象局(TMD)、水文情報研究所(HII)、国家水資源局(ONWR)、鉱物資源局(DMR)、王立発電公社(EGAT)、地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)、内務省防災軽減局(DDPM)、チュラロンコン大学カセサート大学からガバナンス、システム、人材育成のテーマに関するそれぞれの機関での活動紹介がされました。

 閉会を前に、小池センター長の取りまとめのもと、衛星データや地上データ等どのようなデータを用いることが最適かといった科学的なトピックや、同地域におけるプラットフォームに追加すべき項目等を議論しました。最後に、国家水資源局が中心となってプラットフォーム実装プランを作成すること、その後第2回目の会合を開催することを参加者一同で同意しました。ICHARMはIFI事務局としても、他地域でのプロジェクト経験を活かしながら、タイでのプラットフォームを通じた活動に今後とも貢献して参ります。


全体会合の様子
全体会合の様子
 
参加者による集合写真(ONWRフェイスブックより)
参加者による集合写真(ONWRフェイスブックより)