土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

基礎の暴露試験 (ASR)

<概 要>
既設道路橋において、アルカリシリカ反応(ASR)により基礎部材のフーチングや頂版に鉄筋破断等を伴う甚大な損傷が生じていた事例が報告されています。しかし、上部構造等の気中に存在する構造物に比べて、地中部にある基礎にはASRによる損傷程度の評価方法や補強方法に関する知見があまりないため、ASRの損傷の特性や補修・補強方法が明らかにはなっていません。
そこで、フーチング供試体を実在の橋梁と同じ環境下において長期間暴露し、ASRを進行させてどのような影響が生じるかを確認することにより、フーチングの損傷を評価する検討を行なっています。また耐荷性能の評価や補強方法についても検討を実施しています。

フーチング供試体の暴露試験 フーチング供試体の暴露試験
ディープビームを用いた補強技術の開発 ディープビームを用いた補強技術の開発

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損傷を受けた基礎の対策工に関する研究(H18-H22)

■参考文献
1) 独立行政法人土木研究所:アルカリシリカ反応による損傷を受けたフーチングに対する損傷度評価および補修・補強方法に関する研究,土木研究所資料第4304号,2015.3.
2) 国立研究開発法人土木研究所:実環境下に長期間暴露されたフーチングのアルカリシリカ反応による損傷及び耐荷性能の評価に関する研究,土木研究所資料第4366号,2018.2.
3) 国立研究開発法人土木研究所:アルカリシリカ反応で損傷したディープビーム部材のあと施工鉄筋によるせん断補強効果の評価,土木研究所資料第4381号,2018.8.
4) 真弓,七澤,河野:ASR による損傷をうけたフーチングの暴露試験,土木学会第70回年次学術講演会,pp.1079-1080,2015.9.
5) 坂本,河野,真弓,七澤:ディープビーム供試体におけるASR 損傷の評価並びにASR 損傷及びその補修が耐荷性能に与える影響に関する実験的研究,第16 回コンクリート構造物の補修,補強,アップグレードシンポジウム,pp.483-488,2016.10.
6) 今野,七澤,廣江:杭基礎フーチングのASR損傷の進展に関する土中暴露実験,土木技術資料平成30年6月号,pp.41-42,2018.6.
7) 今野,廣江,河野,七澤:ASRで損傷したディープビーム供試体のあと施工鉄筋によるせん断補強効果の評価,土木技術資料令和元年5月号,pp.12-17,2019.5.

コンテンツ作成:廣江
更新日:2021/8/25