土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

斜杭基礎の設計

<概 要>
斜杭を有する基礎は水平方向の抵抗力が大きいため、軟弱な地盤において大きな水平変位が生じる可能性がある場合には、合理的な設計が可能になると期待されます。その一方で、軟弱な粘性土地盤において地盤の圧密沈下が生じる場合があるため、地盤の圧密沈下によって斜杭に作用する荷重を評価して安全性を照査する必要があります。しかし、既往研究で提案された照査法の根拠となる実験が少ないことから照査法の適用範囲が明らかではなく,地震時にどのように変動するのかについて知見がありませんでした。
そこで、実験および解析的研究により、地盤の圧密沈下によって斜杭に作用する荷重およびそれによって斜杭に生じる曲げモーメントの評価方法を提案しました。

圧密沈下と斜杭に生じる曲げモーメントの概念図 圧密沈下と斜杭に生じる曲げモーメントの概念図
遠心実験に用いた杭基礎模型 遠心実験に用いた杭基礎模型(左:正面図,右:側面図)
提案した換算載荷長と圧密沈下による影響評価係数の関係 提案した換算載荷長と圧密沈下による影響評価係数の関係

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「地盤の圧密沈下により斜杭に作用する曲げの評価に関する研究」中谷昌一、七澤利明、竹口昌広、河野哲也、土木研究所資料第4231号、2012.7

平成19年度 重点プロジェクト研究報告書

参考文献
1) 河野哲也・田中宏征・七澤利明・中谷昌一:圧密沈下が生じる軟弱地盤に用いる斜杭基礎の設計法の提案,土木学会論文集C(地圏工学)72 巻 3 号 pp. 204-223, 2016.
2) 河野哲也・西田秀明・七澤利明・中谷昌一: 地盤の圧密沈下によって斜杭に作用する荷重の地震時の評価に関する研究, 第48回地盤工学研究発表会発表講演集, pp.1349-1350, 2013.

コンテンツ作成:堀内
更新日:2021/8/16