土木研究所 構造物メンテナンス研究センター

吊橋主ケーブルの一部破断時の対応事例

吊橋の主ケーブルは、主桁や床版に作用する荷重を主ケーブルに設置した吊材を介して主塔や橋台に伝達する重要な部材であり、主ケーブルの破断は橋梁全体の安全性に深刻な影響を与えうる重大な損傷です。
自治体が管理する吊橋において、主ケーブルに用いられていたワイヤーロープの一部で破断しているのが確認され、今後の措置方法について技術支援を行いました。
緊急措置として、破断したワイヤロープ以外の破断の可能性があることから全面通行止めを行い、自動車荷重分の応力低減措置を行った上で、詳細調査と応急措置の検討が行われました。
詳細調査では、主ケーブルの破断による橋全体の形状への影響を把握するために、3Dレーザースキャナ測量による測定が行われました。さらに、主ケーブル破断箇所であるケーブル定着部について、破断していないケーブルを対象に外観調査や全磁束法による調査が行われました。さらに、詳細調査と並行して応力措置が行われ、安全性確保のために、元の主ケーブルとは別系統のセーフティケーブルが設置されました。

橋梁一般図と主ケーブル破断箇所 図-1 橋梁一般図と主ケーブル破断箇所
主ケーブル破断状況 写真-1 主ケーブル破断状況
3Dレーザースキャナによる測量結果 写真-1 3Dレーザースキャナによる測量結果
セーフティケーブル設置状況 写真-2 セーフティケーブル設置状況

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吊橋の主ケーブル一部破断時の対応事例、土木技術資料、Vol.56、No.3、pp.46-47、2014.