実験河川を活用して河川における自然環境の保全・復元方法について調査・研究を行っております
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高校生による「小さな自然再生」を応援します
地元の川で小さな自然再生を進めようという取り組みを応援するために、岐阜県立多治見高等学校2年生と科学部の希望者を対象に、実験河川を用いた小さな自然再生(試作)とその効果の検証を行いました。
まず、7月26日に流れが単調な直線区間を対象に、「どうすれば魚が住みやすい環境に変えることができるのか」という課題を、4つの班に分かれて議論してもらいました。そして、「流速を多様にする」をキーワードに、直線区間へ自然石を配置してもらいました。あえて水制やバーブ工などの既存の工法についての説明はせず、「石があると水はどう流れるのか」、「魚はどういった場所を好むのか」、といったことを想像してもらいながら自由に取り組んでもらいました。
石を入れるのも、並べるのも、すべて自分たちの力だけで進めてもらいましたが、高校生のパワーは本当に素晴らしく、班ごとに全く異なる見事な「石積み」ができあがりました。
流速計を使うまでもなく、単調な区間の流れが多様化した様子を見て捉えることができました。
そして、約1か月が経過した9月6日に、石積みによって環境がどのように変化したのかを明らかにするために調査を行い、石積み前の調査結果との比較を行いました。
流速や水深などの物理環境は、前回よりも流れや深さに変化のある多様な環境が創出されていました。そして、皆さんが楽しみにしてくれていた魚類調査も行い、たも網を使って必死に魚を捕まえてもらいながら、研究員による解説を踏まえつつ自分たちで同定してもらいました。どの班も前回の調査より、魚種数が増えていましたので、自分たちで行った石積みで多様な環境を創出できたことを実感してもらえたのではないでしょうか。
詳細な検討は、学校に戻ってから行ってもらいますが、班ごとの違いを踏まえつつ、小さな自然再生の効果がどうであったのか、どういったことが自分たちの力で取り組めるのか、議論を進めることで、河川環境への理解を深めてもらえるのではないでしょうか。
これから多治見高校の皆さんは地元を流れる河川でも、小さな自然再生の取り組みに向けて頑張っていかれるそうです。共生センターの実験河川を使った経験が現場の河川で活かされ、小さな自然再生の取り組みが広がっていくことを期待し、彼らの活動を応援していきたいと思います。
〇 自然共生研究センター公式Facebookでもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/kyouseicenter/
1日目(7月26日)
「小さな自然再生」説明
石積み用の石を運ぶ
石積み@
石積みA
物理環境調査@
物理環境調査A
石積み完成作品@
石積み完成作品A
2日目(9月6日)
前回の振り返り
物理環境調査
魚類調査@
魚類調査A
魚類調査B
魚類調査C
魚類同定作業
まとめ
自然共生研究センター 研究員 森 照貴
国立研究開発法人 土木研究所
自然共生研究センター
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