研究成果・技術情報

テストハンマーによる強度推定調査 FAQ集

質問1 「6つのポイント」では,一つ目のポイントとして点検された測定装置を用いるように指示されていますが,点検が十分でないとどんな不都合が生じますか?

回答:

 テストハンマーを繰り返し使用すると,内部の作動部分に可動部品の接触から生じたと思われる金属粉などのゴミが付着することがあります。この状態で使用を続けると内部の摩擦が増大し,一般に本来測定されるべき値よりも低い反発度が測定されるようになります。このため,試験前に点検を行い,テストハンマーの整備状態が適切であることを確認する必要があります。
 点検には金属製のテストアンビル(検定器)を用いるのが一般的で,点検の結果,測定される反発度が検定器に示された適正とされる範囲に入らなかった場合には,分解清掃・部品交換などの整備を行わなければなりません。なお,内部の摩擦等が増加した状態で使用を続けると,部品の変形等が生じる場合もありますので,早め(2000回程度の打撃後)の整備をおすすめします。

参考資料:

図−1 整備を行わずテストハンマーの使用を続けた場合の反発度の推移

図−1 整備を行わずテストハンマーの使用を続けた場合の反発度の推移
(反発度80のテストアンビルを打撃した場合)

参考文献:

1.
古賀裕久・河野広隆・野永健二・北園英明:テストハンマーの検定頻度に関する検討,第56回セメント技術大会講演要旨,pp.100-101,2002

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