技術の概要
電波等を利用した河川表面の流速分布を計測することで、連続的な洪水流量を観測することが可能となる技術です。従来の観測方法と比べて、増水時の危険な現場での観測を無人で行うことができるため安全性向上、コスト縮減が可能です。橋上操作艇搭載型の超音波ドップラー流向流速計 (ADCP) を併用することで、流速補正係数や断面積の変化をモニタリングすることが可能となります。
適用の効果
1) 観測の安全性
増水時等の危険な現場での観測を無人で自動的にできるため、安全性が飛躍的に向上します。
2) 観測の連続性・確実性
従来の浮子観測では、現地条件によって観測できなかったり、洪水の立ち上がりやピーク値を捉えることができない場合もありましたが、本技術により連続的に確実な観測が可能です。
3) コスト縮減
従来の方法では、観測体制として5名程度の観測員が必要でしたが、本技術は無人で観測ができるため、初期投資として流速計の購入・設置費用が必要ですが、商用電源費用のみで継続的な観測が可能です。
適用条件 (固定式電波流速計の場合)
測定距離 最大20m
測定可能温度 (外気温)-20~50℃
測定可能流速 0.5m/sec以上
取付角度 30~45°
適用上の留意点
自動連続計測のための商用電源が必要
取扱者には電波法に定める資格が必要
ADCPを利用した定期的な校正が必要
適用実績
利根川 (埼玉県)、富士川 (山梨県)、姫川 (新潟県)、鬼怒川 (栃木県)
共同開発者
一般財団法人 土木研究センター
アジア航測株式会社
小糸工業株式会社
株式会社 拓和
横河電子機器株式会社
株式会社 東京建設コンサルタント
問合せ先
国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター (ICHARM) |
:TEL 029-879-6809 |
一般財団法人 土木研究センター |
:TEL 03-3835-3609 |