日本初!自動設計による河川デザインの高速化
~20秒で100案を作成、設計の省人化に期待~
2026年2月18日
- 国立研究開発法人 土木研究所 流域水環境研究グループ 自然共生研究センター
- 国立大学法人 鳥取大学
- 国立大学法人 山梨大学
土木研究所・鳥取大学・山梨大学では自動設計のひとつであるジェネレーティブデザイン(以下,GDという)を河道の設計に適用し,デザインの高度化と効率化を両立する新たな設計プロセスを提案しました(図-1).最適な断面は川づくりのこれまでの知見と一致することを確認し,河道設計におけるGDの有用性を示しました(図-2).
GDはコンピュータが瞬時に多量のデザイン案と評価値の算出を行い,人間が評価値を比較しながら最適な形状を選定するデザイン手法です.GDの活用によって,人間ではできなかった幅広いデザイン案の提案が可能になること,治水・環境といった複数の評価値で最適案を検討するプロセスによって技術者の最適デザインの選択プロセスを再現できること,最終的な判断は人間がおこなうため川づくりに欠かせない景観や文化といった定性的な評価を取り入れやすくなることが期待されます.インフラ整備のための人材不足のなか,短時間で高度な河川デザインにつながる可能性があります.
今後は河道の単断面から三次元形状のデザインや多自然川づくりのノウハウの明確化,合意形成支援,河川管理におけるデータ相互利用などの研究に発展する予定です.
研究成果のポイント:
- ジェネレーティブデザインを日本で初めて河道設計に適用
- 100の断面案の生成と評価値の算出を20秒程度で実施
- 各評価値のバランスのとれたデザインとこれまでの川づくりの知見の一致を確認
社会的意義:
計画・設計プロセスの迅速化により,詳細検討や合意形成に人や時間を割くことや,災害時の迅速な対応が可能になります.また,技術者の経験知に基づく高度な川のデザインを,GDによって再現することで,技術者不足への対応や若手技術者の育成にも活用することが期待されます.
今後の予定:
一連の複数断面生成へ拡張し3次元設計へ発展させることや,GDを通じて多自然川づくりの技術を形式知化すること,ゲームエンジン等の可視化技術とGDの組合せ合意形成を支援するシステムを開発すること,openBIM※との連携により流域のスペシャリストAIの創造など,川づくりの高度化に資する研究を強力に推進する予定です.
※特定のソフトウェアに依存せず、異なるBIM(Building Information Modeling)ツール間でデータの相互運用性(インターオペラビリティ)を確保し、建設プロジェクトの関係者全員が情報を共有・活用できるようにする考え方。
【論文情報】
- タイトル:
- Semiautomatic design system for river channel cross-sections based on generative design
- 著 者:
- 河野誉仁(専門研究員,現鳥取大学),大槻順朗(山梨大学),林田寿文(主任研究員, 現北海道開発局),中村圭吾(グループ長)
- 掲 載 誌 :
- Landscape and Ecological Engineering (2026)
- 公 開 日 :
- 2026年1月6日
- D O I:
- https://doi.org/10.1007/s11355-025-00698-x
- 土木研究所 流域水環境研究グループ
- グループ長 中村圭吾(nakamura-k573bs*pwri.go.jp) *を@に、変更してください。



















