国立研究開発法人 土木研究所

研究活動

下水道施設を核とした資源・エネルギー有効利用に関する研究

研究概要

 循環型社会の構築に向けて、再生可能なエネルギーに対する期待が高まっています。平成26年に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの一つとして、 下水汚泥の有効活用の推進の方針が示されています。国土交通省が定めた「新下水道ビジョン」では、下水処理場での資源集約・エネルギー供給拠点化・自立化が中期目標として示され、 下水汚泥と他のバイオマスとの混合処理や、下水中の栄養塩類を用いた有用藻類の培養・エネルギー抽出等の新たな技術開発を推進することとされています。 一方で、例えば河川事業などで発生する刈草や伐木といったバイオマスも、単に廃棄せず有効活用を図ることが求められています。
 特に下水処理施設においてバイオマスを受け入れ、下水処理に必要となるエネルギーとして効率的に使用することが期待されています。
 こうした状況を踏まえ、本研究プログラムでは、バイオマスエネルギー生産手法の開発として、下水処理水を利用した藻類培養の高効率化を図るとともに、培養藻類の回収、濃縮、 脱水技術の高度化の研究に着手します。得られた培養藻類・水草と下水汚泥の混合物について、石炭代替固形燃料化への適用性の検討も行います。また、草木バイオマス有効利用技術の開発として、 木質チップやペレット等により下水処理場における乾燥等に熱供給する技術、伐木や刈草を汚泥脱水助剤として適用する技術などの研究などを行います。