国立研究開発法人 土木研究所

研究活動

持続可能な建設リサイクルのための社会インフラ建設技術の開発

研究概要

 持続可能な社会の構築は、地球規模に課せられた重要な命題となっています。とりわけ、天然資源に乏しいわが国においては、廃棄物を有効活用し、循環型社会の構築に努めていく必要があります。
 建設分野では、構造物の撤去更新に伴い、コンクリート塊やアスファルト塊といった建設副産物が発生します。こうした、建設副産物を廃棄処分することなく、有効に活用することは、 処分場の負担を軽減するとともに、天然資源の保全にも役立つものです。これまでに、こうした建設副産物は活用され一定の成果が得られてきましたが、今後、本格的な維持更新や東京オリンピック・パラリンピックに 向けた工事の本格化に伴い、ますます建設副産物の発生量が増加していくことが予想されます。建設副産物を含む資源循環を今後も適正に保っていくためには、一層の用途拡大を図ることが望まれます。 具体的にはコンクリート再生骨材の用途拡大、アスファルト再生骨材を多く用いた場合の適用条件の明確化、中温化舗装技術の再生舗装への適用拡大を目指した研究を行います。
 一方、大規模トンネル工事に伴い、建設発生土の発生が見込まれます。建設発生土の適正利用にあたっては、環境安全性評価・対策手法の充実が必要となります。 自然由来重金属等を含む建設発生土への対応のルール化、元素の種類や現場の環境特性に応じた発生源評価、安価で効率性の高い対策手法の実用化について研究を行います。