テストハンマーによる強度推定調査 FAQ集
質問3 「6つのポイント」のポイント2で紹介されているコンクリート表面の乾燥状態に関する補正方法は,どのようにして定められたものですか?
回答:
テストハンマーで測定される反発度は,コンクリート表面の乾燥状態の影響を受けることが明らかになっていますが,その影響の程度については必ずしも明確ではありません。このため各種基準類でも,明確な補正方法は示されていません。
しかし,調査の現場ではどうしても表面がぬれている箇所での測定が避けられない場合もあると考えられます。そこで,ポイント2では,
- 1)
- 測定位置が湿っており打撃の跡が黒点になる場合:測定された反発度に補正値3を加える
- 2)
- 測定位置がぬれている場合:測定された反発度に補正値5を加える
いう補正方法を用いても良いことにしました。この補正方法は国内で販売されているテストハンマーのマニュアルにおける記述を参考に定めたもので,この補正値を定めるための系統立てた実験を特別に行ったわけではありませんが,おおむね妥当な値であると考えます。
参考文献:
- 1.
- 古賀裕久・河野広隆・伊藤祐二・川崎克己:コンクリート強度推定のための反発度測定における乾燥・吸水状態の影響,土木学会第57回年次学術講演会,pp.313-314,2002