研究成果・技術情報

土木学会「平成27年度 全国大会第70回年次学術講演会」優秀講演者表彰

平成27年9月16日(水)~18日(金)に岡山大学津島キャンパスで開催された土木学会 平成27年度全国大会 第70回年次学術講演会において、以下の土木研究所の研究者が優秀講演者とし表彰されました。

 

      講演題目 天然凝集材を用いた効率的な貯水池濁水処理手法の検討
       講演者 本山 健士(水工研究グループ水理チーム 研究員)
       

賞状

研究成果の概要

 ダムの再開発工事において、放流施設を増設する場合などには作業に伴う濁水の発生への対応が求められる。 これまで、天然凝集材であるアロフェンを用いた濁水凝集処理について、超音波分散装置を用いた分散手法について検討してきた。 しかしながら、ダム貯水池への適用に必要となる大量処理への適用性、2m 以上の深度における凝集効果が確認できていないなどの課題があった。 このため、ダム貯水池に適用可能なものとして新装置(キャビテーションミキサ、高圧洗浄機)を使用した分散手法による凝集処理を提案し、 室内実験及び現地実験により濁水凝集処理効果について検討を行った。

 室内実験の結果、未処理のものと比べ、新装置を使用した分散手法により凝集処理したものでは、実験開始後すぐに濁度が低下 していることから、新装置が効率的な分散手法であり現場適用性の高い分散装置となる可能性が示唆された。

 また、現地実験の結果、水深7m,10mにおける濁度において、新装置を使用した分散手法により凝集処理したものは、一定時間程度 経過すると濁度が低下しており、2m 以上の水深においても効果が確認された。

 以上の結果、本分散手法による凝集処理の水深方向への効果が確認され、ダム貯水池内で適用可能であることが示唆された。

天ヶ瀬ダム画像

写真:現地実験フィールド(天ヶ瀬ダム貯水池)

キャビテーションミキサ画像

写真:キャビテーションミキサ

高圧洗浄機画像

写真:高圧洗浄機

表:室内実験ケース

室内実験ケース

室内実験結果図

図:室内実験結果

表:現地実験方法(凝集処理実験)

凝集処理実験

表:実験ケース(ミキサ)

実験ケース1

表:実験ケース(洗浄機)

実験ケース2

濁度経時変化1_水深7m

図:濁度経時変化(ミキサ)(水深7m地点)

濁度経時変化2_水深10m

図:濁度経時変化(洗浄機)(水深10m地点)