研究成果・技術情報

土木学会「平成27年度 全国大会第70回年次学術講演会」優秀講演者表彰

平成27年9月16日(水)~18日(金)に岡山大学津島キャンパスで開催された土木学会 平成27年度全国大会 第70回年次学術講演会(※)において、以下の土木研究所の研究者が優秀講演者とし表彰されました。

※この大会は,土木に関する研究成果の発表や情報交換の場として,近年では毎年開催されており,岡山大学津島キャンパスでの開催で 70回目となりました.全国大会年次学術講演会の発表者を対象に「土木学会年次学術講演会優秀講演者表彰」が実施されています. この表彰規定は、将来の土木界を担っていく若手の研究者および技術者の論文内容や講演技術が向上し,さらに全国大会が活性化することを目的として 定められています.参考:http://www.jsce.or.jp/taikai2015/index.html

 

表彰状

 

      発表題目 コンクリート補修材料のX線CTによる内部観察
       発表者 櫻庭 浩樹( 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 研究員)

       共著者 熊谷 慎祐( 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 交流研究員)
           内藤 勲 (寒地土木研究所 主任研究員)
           佐々木 厳( 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 主任研究員)
           西崎 到 ( 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 上席研究員)

 

目的
 コンクリート構造物に補修工法を適用した後,期待した効果が発揮されず,再劣化が生じる場合がある.再劣化を防止するためには, 補修対象となるコンクリート構造物を調査し,劣化した原因を解明した上で,対策を講じることが重要である.コンクリート構造物が劣化した 原因を解明するためには,外観調査だけではなく,その内部構造も把握することが望ましい.本研究では,X線CTのコンクリート補修材料の内部 観察への適用性や補修が施されたコンクリート構造物の再劣化の原因究明を目的とし,ひび割れ注入工,表面被覆工および断面修復工が実施された 構造物からコアを採取し,X線CTによる観察を行った.

 

観察結果
 コア供試体のX線透過度のヒストグラムを取得し,ヒストグラムの第1のピークは,供試体の空隙および供試体以外の領域の空気部, 第2のピークはコンクリート部であり,空気部とコンクリート部を区別できることを確認した(図1).ひび割れ注入工法を適用した構造物から 採取したコア供試体Aの内部構造より,空隙部がひび割れ注入材で充填されていることを観察した(図2).表面被覆工法および断面修復工法が 適用された構造物から採取したコア供試体B, C, Dの内部構造より,1) 表面被覆材が膨れている様子,2) コンクリートと断面修復材の界面,3) 断面修復材の打継ぎ界面,4) コンクリートのひび割れ,を観察した(図3).以上の結果より,X線CTによりコンクリート補修材料の内部観察が 可能であることを示した.

     

    講演資料