研究成果・技術情報

「土木学会年次学術講演会優秀講演者表彰」受賞

受賞名:「土木学会年次学術講演会優秀講演者表彰」受賞
論文題目:小土被り山岳トンネルの覆工設計における地盤反力係数の算定方法に関する一考察
受賞者:日下 敦(国立研究開発法人土木研究所 トンネルチーム 主任研究員)
著者:日下 敦
   岸田 展明(国立研究開発法人土木研究所 トンネルチーム 交流研究員
   (中電技術コンサルタント(株)))
   砂金 伸治(国立研究開発法人土木研究所 トンネルチーム 交流研究員)
賞状
賞の概要:

受賞日:平成28年11月11日

贈賞組織名:公益社団法人土木学会 全国大会委員会

賞の情報:全国大会で実際に講演を行う個人会員の中で、40歳以下の研究者、技術者を対象に、論文内容に加え、講演が簡潔明瞭で優れたものに与える

 

研究成果の概要:

 山岳トンネルの覆工の設計を行う場合、覆工をはり要素で、周辺の地山を地盤反力バネでモデル化する、いわゆるはりバネモデルが用いられることが多い。 地盤反力バネの設定にあたっては、地山の弾性係数等をもとに地盤反力係数を算定し、バネ1本あたりの分担面積を乗じてバネ定数とするのが一般的である。 しかしながら、土被りが小さい場合や急な斜面に近接している場合等においては、覆工の変形に対して地山からの反力が小さくなる部分が存在すると考えられ、 それらの影響を地盤反力係数の算定において考慮する必要があると考えられる。一方で、その手法は確立されておらず、地盤反力係数の設定が困難となる場合がある。 本研究では、このような場合の地盤反力係数の設定について、数値解析(図-1)を用いて考察した。その結果(図-2、図-3)、条件設定によって覆工の変形モードが大幅に変化する場合は、 それに応じた地盤反力係数の設定が必要であることが示唆された。また、土被りが小さい、あるいは急な斜面に近接しているなどの条件により、 覆工の変形に対して地山からの反力が小さくなると想定される場合には、それに応じた地盤反力係数の設定が覆工の設計において必要であることも示唆された。

 

図-1 数値解析の概要
図-1 数値解析の概要

図-2 H = 5D(土被り∞相当)の場合の地盤反力係数
図-2 H = 5D(土被り∞相当)の場合の地盤反力係数

図-3 H = 1 mの場合の地盤反力係数
図-3 H #x003D; 1mの場合の地盤反力係数