研究成果・技術情報

8th International Conference on Science & Engineering「Best Presenter Award」

受賞名:8th International Conference on Science & Engineering「Best Presenter Award」
論文題目:Durability of Protective Paint Systems on Steel Plates through the Exposure Tests in Various Environments
受賞者:西崎 到(国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 上席研究員)
共著者:冨山 禎仁(国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 主任研究員)
    Thinzar Khaing(ヤンゴン工科大学 教授)
    Khin Khin Thaw(ヤンゴン工科大学 博士課程学生)
    鈴木 康夫(京都大学大学院工学研究科 助教)
    杉浦 邦征(京都大学大学院工学研究科 教授)
※受賞者の所属・役職は論文に掲載されたものです
賞の概要:

 8th International Conference on Science & Engineeringで口頭発表された講演のうち、特に優れた発表に贈られる「Best Presenter Award」を受賞しました。贈賞組織はこの国際会議を運営したU NYI HLA NGE財団です。

8th International Conference on Science & Engineering「Best Presenter Award」 8th International Conference on Science & Engineering「Best Presenter Award」 8th International Conference on Science & Engineering「Best Presenter Award」

 

研究成果の概要:

○鋼材用防食塗料はその置かれる環境によって期待される寿命が変わってきます。このため鋼構造物を腐食させずに長持ちさせるには、 その地域に応じた適切な防食塗料の選択が必要となります。そのための研究として、鋼材用防食塗料で作った試験体を、日本国内2か所(つくばと沖縄)およびミャンマー(ヤンゴン)に実際に置いて(屋外暴露試験と呼びます)、 試験体の劣化の進み方・速さと、それぞれの場所で測定した環境データの関係を調べ、どのような環境条件が、鋼材用防食塗料の耐久性・寿命への影響が大きいか、 また、どのような塗料がより優れた耐久性を発揮するかなどを調べた結果を発表しました。防食塗料の劣化に影響を与える環境因子は、温度(気温)と湿度・水(材料表面の濡れ時間(ISO9223)で評価)の相互作用と考えることができ、 気温と濡れ時間の双方がある程度高い場合に、気温が高くても濡れ時間が少ない場合あるいは濡れ時間が多くても気温が低い場合よりも、材料劣化が進行しやすいと考えられることを明らかにしました。 また、ふっ素樹脂系上塗り塗料を持つ塗装系が特に優れた耐久性(耐候性)を発揮することもデータで示しました。

屋外暴露試験場における環境データ計測結果
試験場所 年平均気温℃ 1年間のうちの表面濡れ時間
(気温0℃以上で湿度80%以上の時間)
測定期間
つくば 14.5 6343╱8760 2011.1-2011.12
沖縄 23.5 5387╱8760 2016.7-2017.6
ヤンゴン 27.4 5049╱8760 2014.4-2015.3