研究成果・技術情報

「砂防学会賞(技術賞)」受賞

受賞名:「砂防学会賞(技術賞)」受賞
論文題目:地中レーダ探査を用いた砂防堰堤内部亀裂分布調査
受賞者:清水 武志(土木研究所)
    青池 邦夫(土木研究所 (現応用地質株式会社))
    泉山 寛明(土木研究所 (現国土交通省))
    藤村 直樹(土木研究所)
    稲崎 富士(土木研究所)
    瀬戸 秀治(土木研究所 (現応用地質株式会社))
賞の概要:

 令和元年5月21日から5月22日に開催された「2019年度(公社)砂防学会定時総会並びに研究発表会」において、技術賞を受賞しました。
 技術賞は、具体的な現場技術等に関する画期的な技術開発やプロジェクトの実施により砂防技術の発展に顕著な貢献をした個人あるいは団体に与えられるものです。

 

研究成果の概要(定時総会資料より抜粋):

 土石流によってコンクリート砂防堰堤が破壊される事例はしばしば報告される。これは、単に施設の復旧工事に必要な情報だけでなく、砂防堰堤が破壊に至る過程を精緻に明らかにすることによって、 施設の長寿命化対策及び性能規定に基づく構造物設計を進めていくことに資する極めて重要な情報である。しかしながら被災堰堤の復旧は防災上の観点から短期間で実施されることが多く、 外部の破壊状態のみならず内部の破壊状態までを含めた情報を得る試みは、これまで殆ど実施されてきていない。
 本研究は、この点に着目して、砂防堰堤復旧までの比較的短期間の間に現地で実施が可能な破壊情報の取得方法及びその結果について検討したものである。 具体的にはコンクリート砂防堰堤の内部破壊状態を非破壊的手法である地中レーダ探査による内部亀裂分布の調査、および外部破壊状態を SfM-MVS による壁面変位の調査を実施し、 本調査結果から外部の破壊状況と合わせて、地中レーダ探査により複雑な亀裂を3次元的な形状として取得可能であることを示した。砂防堰堤の亀裂の発生位置やその大きさなどの情報は、 土石流による荷重の大きさや構造物の破壊に至る過程の研究に重要であり、施設の長寿命化対策および性能規定に基づく構造物設計を進めていく技術の発展に寄与する成果であると認められる。
 したがって、本論文の成果は、技術の開発及び実施により砂防技術の発展に顕著な貢献をなしたと認められる。

賞状