研究成果・技術情報

「構造工学論文賞Vol.66A論文賞」受賞

 受賞名: 「構造工学論文賞Vol.66A論文賞」受賞
論文題目: あと施工プレート定着型せん断補強鉄筋と炭素繊維複合パネルの併用によるRC 橋脚の耐震補強工法に関する研究
 受賞者: 河村 圭亮(大成建設(株)、技術センター)
畑 明仁(大成建設(株)、技術センター)
新藤 竹文(大成建設(株)、技術センター)
坂本 淳(大成建設(株)、技術センター)
細谷 学(大成建設(株)、土木本部)
大住 道生(土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 上席研究員)

 

賞の概要:

 本章は、構造工学論文集に掲載され、かつ構造工学シンポジウムにおいて講演を行った論文のうち、構造工学における学術、技術の進歩発展に寄与し、独創性と将来性に富むものと認められるものに土木学会構造工学委員会より授与される。

研究成果の概要:

 本研究は、橋軸方向の水平力に対してせん断破壊する諸元のRC壁式橋脚を検討対象として、既設RC 橋脚を模擬した試験体で正負交番載荷実験を実施した。 これより、あと施工プレート定着型せん断補強鉄筋を用いた補強によるせん断補強効果と、これに加えて炭素繊維複合パネルで補強することによる変形性能向上効果(じん性補強効果)を検証した。 さらに実験結果より、道路橋示方書V 耐震設計編における限界状態の考え方に準じて補強後の部材性能について検討した。

 その結果、あと施工プレート定着型せん断補強鉄筋によるせん断補強効果が機能してRC橋脚が曲げ破壊モードに移行し、 炭素繊維複合パネルにより軸方向鉄筋のはらみ出しに伴うかぶりコンクリートの剥落を抑制することができた。 この結果を道路橋示方書の設計式により評価すると過小に評価することとなり、巻き立て補強されたRC橋脚の限界状態に相当する水平変位の推定方法は、 そこに用いる塑性ヒンジ長の推定方法を見直した方が合理的となる可能性を示した。

賞状