研究成果・技術情報

「(公社)日本地すべり学会第59回研究発表会 若手優秀発表賞」受賞

受賞名: 「(公社)日本地すべり学会第59回研究発表会 若手優秀発表賞」
論文題目: 大変位対応型孔内傾斜計~新たな孔内傾斜計の開発~
受賞者: 高木 将行(土木研究所 土砂管理研究グループ 地すべりチーム 研究員)

受賞日:令和2年10月26日

賞の概要:

 本賞は、「(公社)日本地すべり学会第59回研究発表会(現地開催中止)」において、35歳以下の正会員・学生会員の発表者に対し、講演要旨を対象とした審査(一次審査)とオンラインでの口頭発表を対象にした審査(二次審査)により、受賞者が選出されます。

研究成果の概要:

 地すべり調査における孔内傾斜計観測では、地すべりの変位速度が大きい場合や維持管理を目的とした長期に渡る観測の場合など、地中に埋設したガイド管が計器の挿入限界を超えて変形し、その後の観測ができなくなります。
 そこで、本研究では、大きく変形したガイド管にも対応可能となる新型計器を開発し、新型計器の性能や適用性を検証する試験を実施しました。試験では、人為的に変形させたガイド管を用いた計器の通過性能の確認、実際の地すべり地に設置されたガイド管での測定を行い、その結果、新型計器が従来型計器に比べ、通過性が向上し、従来と同等の測定精度を有することが確認されました。
 本成果により、大変位に対応した孔内傾斜計観測が可能となり、これまで生じていた観測の空白やボーリングの再掘削等が減少し、観測の効率化に寄与することが期待されます。

図 開発した大変位対応型孔内傾斜計の概要
図 開発した大変位対応型孔内傾斜計の概要