研究成果・技術情報

「土木学会 国際貢献賞」受賞

受賞名: 「土木学会 国際貢献賞」
受賞者: 小池 俊雄(土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター センター長)

 

賞の概要:

受賞日:令和3年6月11日

 日本国内外の活動を通じて、国際社会における土木工学の進歩発展あるいは社会資本整備に貢献し、その活動が高く評価された日本人、並びに日本の土木工学の発展 あるいは日本の土木技術の国際交流に貢献したと認められた外国人に授与される。

研究成果の概要:

 世界の水危険が顕在化する以前から、水問題の根幹をなすグローバルな水循環変動を解明するための観測・予測技術の開発・高度化に関する基礎研究から社会実装にわたる様々な国際貢献活動を30年以上にわたり実施している。
 特に、我が国初の海洋観測衛星「もも1号」の打ち上げに際し、1985年より衛星マイクロ波リモートセンシングによる積雪観測手法の開発、日米協力による熱帯降雨観測衛星(TRMM)後継機計画、高性能マイクロ波放射計(AMSR、AMSR-E、AMSR2)の開発 などへの寄与など、人工衛星によるモニタリング技術開発(高性能マイクロ波放射計等)やモデリング技術(分布型エネルギー・水循環モデルやデータ同化手法等)の開発に大きく寄与し、地球観測データ統融合利用のための「データ統合・解析システム(DIAS)」の開発・普及を行った。
 また、世界気候研究計画(WCRP)における統合地球水循環強化観測期間(CEOP)の設定、ブリュッセルサミット(2005年)における地球観測政府間部会(GEO)の立ち上げなど、様々な大型国際共同観測・研究プロジェクトにおいて主導的役割で寄与し、当該分野の世界的リーダーとして 学術・技術の国際的な発展に大きく貢献した。
 さらに個別プロジェクトに関しても、1991年より携わっているチベット高原気候・水循環研究を皮切りに、日中気象災害協力研究センタープロジェクトなど、JICA、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行(WB)等の数々の国際協力プロジェクトを担っており、中国科学院アインシュタイン教授賞 (2009年9月)、ベトナム国自然資源環境大臣賞(2013年8月)など海外政府・機関から数多くの受賞歴を有する。
 以上のこれまでの長年の功績は、土木学会国際貢献賞の受賞者としてふさわしいと認められ、受賞に至った。

関連サイト:

令和2年度土木学会賞受賞一覧
http://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/p2020.shtml#s10

賞状