研究成果・技術情報

令和2年度 土木学会賞「論文賞」受賞

受賞名: 令和2年度 土木学会賞「論文賞」
論文題目: デッキ進展き裂を有する鋼床版に対するSFRC舗装のき裂進展抑制効果
受賞者: 村越 潤(首都大学東京大学院教授 ((現)東京都立大学大学院教授)
森 猛(法政大学客員教授)
幅 三四郎(首都大学東京大学院 ((現)(株)大林組)
小野 秀一(日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所)
佐藤 歩(土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 研究員 ((現)首都高速道路(株))
高橋 実(土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 主任研究員)

受賞日:令和3年6月11日

賞の概要:

 本賞は、原則として、土木学会誌、土木学会論文集、その他土木学会の刊行物に研究、計画、設計、施工、考案、維持管理などに関する論文を発表し、独創的な業績を挙げ、これが土木工学における学術・技術の進歩、発展に顕著な貢献をなしたと認められる論文の著者に授与される。

研究成果の概要:

 既設鋼床版のデッキプレートとUリブとの溶接ルート部から、デッキプレート内に進展するき裂(デッキ進展き裂)の主たる原因は、比較的薄いデッキプレートの輪荷重載荷時の面外曲げであるとされており、疲労耐久性向上策として鋼繊維補強コンクリート(SFRC)舗装による補強工法が既に多くの既設鋼床版橋に適用されている。一方、き裂が内在する場合のSFRC舗装の効果については実験例が少なく、き裂の進展抑制効果は必ずしも明らかにされているわけではない。本研究では、横リブ交差部を模擬した鋼床版試験体に様々な深さのデッキ進展き裂を導入した後に、SFRC舗装を施工して疲労試験を行うとともに、FEM解析によってき裂先端の応力拡大係数の評価を行い、SFRC舗装によるき裂の進展抑制効果を明らかにした。

き裂が内在する場合のSFRC舗装による補強後の疲労耐久性確認試験/暴露した破面におけるき裂の状態の例(図中青矢印:横リブ板厚中心位置)/応力拡大係数範囲と舗装厚の関係
令和2年度 土木学会賞「論文賞」表彰状 令和2年度 土木学会賞「論文賞」賞牌