研究成果・技術情報

「令和4年度砂防学会研究発表会 オンライン口頭発表 優秀発表賞」受賞

受賞名: 「令和4年度砂防学会研究発表会 オンライン口頭発表 優秀発表賞」受賞
論文題目: 三次元点群からの物体検出による堆積流木量の推定:青森県むつ市小赤川橋の事例
受賞者: 小柳 賢太(土砂管理研究グループ 火山・土石流チーム 研究員)

受賞日:令和4年5月13日

贈賞組織名:公益社団法人 砂防学会

賞の対象:

 5月19日(水)~21日に開催された令和4年度砂防学会研究発表会「宮崎大会」において、優れた調査研究を行い発表した若手学会員を対象として、その功績を称えるとともに、若手学会員の研究意欲の高揚と砂防に関する調査研究の進展を目的として表彰を行うものである。

研究成果の概要:

 山地渓流に集積した流木(流木群)による流路閉塞機構を検討する上では、流木群を形成する流木1本ごとの長さや、流木群の実材積を災害の事例ごとに定量化することが重要である。一方、山地渓流に堆積した多量の流木の計測には労力を要し、不安定な流木の再移動による二次災害の危険も伴う。そこで本研究では、令和3年の豪雨により流木群による閉塞が生じた青森県むつ市小赤川橋において、UAV空撮画像を元に高密度な三次元点群を生成し、三次元点群から流木の表面形状を復元することにより、流木群を構成する流木1本ごとの長さや、流木群の実材積の自動計測を試みた。解析に用いた点群の数によって計測結果は異なり、例えば複数の流木が1本の円柱として検出されることにより、流木1本あたりの長さについては実物よりも過大に算出された。しかし、適切な数の点群を用いることで、流木群の実材積の算定が可能であることを明らかにし,UAV空撮画像を元に流木群の実材積を自動計測できる可能性を示した。今後は、点群密度などを変えた解析を行い、他の災害事例においても適用性を検証していく予定である。

「令和4年度砂防学会研究発表会 オンライン口頭発表 優秀発表賞」の賞状