令和3年度土木学会「田中賞」受賞
受賞名: | 令和3年度土木学会「田中賞」受賞 |
論文題目: | 定着部付近におけるケーブル破断PC箱桁橋の耐荷性能に及ぼす影響 |
受賞者: | 土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 研究員 吉田 英二 |
受賞者: | (株)ナカノフドー建設 大島 義信 |
受賞者: | 土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 上席研究員 石田 雅博 |
受賞者: | 京都大学大学院教授 山本 貴士 |
受賞者: | 京都大学特定教授 服部 篤史 |
受賞者: | 京都大学大学院教授 高橋 良和 |
受賞日:令和4年6月10日
賞の概要:
令和3年度土木学会田中賞 論文部門
「土木学会 田中賞」は昭和41年度(1966年度)より、橋梁・構造工学に関する優秀な業績に対して授与されている学会賞です。「研究業績部門」「論文部門」「作品部門」の3つの部門があります。
論文部門:土木学会刊行物に発表された論文、報告等の中で、計画、設計、製作・施工、維持管理、利活用、考案、歴史・文化、普及・啓発などに関連して、橋梁工学への貢献が大きいと認められるものを対象とします。
研究成果の概要:
本論文は、PC橋の損傷のなかでも深刻な損傷の一つと考えられている塩害によりPCケーブルが腐食破断したPC箱桁の耐荷性能について、実験的・解析検討によって明らかにしたものである。
実験の結果から、一か所に破断が生じた場合には、箱桁断面内で応力集中が生じせん断破壊が急激に生じること、複数個所PCケーブルが破断した場合でも、破断の位置関係によっては応力集中が緩和され、箱桁全体としては靭性的な挙動を示すことなどを明らかにした。また、シース内にグラウトが充填されている区間は定着長を経てプレストレスが残存することから、プレストレスの残存状態によっては一次元梁では評価できない立体的な耐荷機構が成立し、せん断破壊も曲げ破壊も生じうることを明らかにした。さらに、有限要素解析により応力集中が分散するプロセスと破壊メカニズムの解析的実証に成功している。
以上より、本論文は今後の既設PC桁管理において十分に貢献する内容であると考えられることから、土木学会田中賞に値すると認められたものです。


