研究成果・技術情報

「第24回 国土技術開発賞」入賞

受賞名: 「第24回 国土技術開発賞」入賞
論文題目: 地すべり災害対応のBIM/CIMモデル
(副題)地すべり災害対応へのBIM/CIMモデルの活用技術
受賞者: 土砂管理研究グループ 地すべりチーム 上席研究員 杉本 宏之
受賞者: 土砂管理研究グループ 地すべりチーム 主任研究員 竹下 航 (現) 国土技術政策総合研究所
  
賞の概要:入賞

受賞日:令和4年8月3日

贈賞組織名:一般財団法人 国土技術研究センター、一般財団法人 沿岸技術研究センター
 同賞は、技術開発者に対する研究開発意欲の高揚並びに建設技術水準の向上を図ることを目的として、建設産業に係わる優れた新技術を表彰するものです。


研究成果の概要:

 本件は、地すべり災害後に UAV で撮影した空中写真から作成するカラー点群データにより災害の状況を「バーチャル現場」として表現し、それに地すべり周辺の地形・地質等のオープンデータを組み合わせた3次元モデル(地すべり災害対応の BIM/CIM モデル)を1日以内の短時間で作成し、地すべり災害対応に活用する手法を開発したものです。
 大規模な地すべり災害が発生した直後には、現地状況についての情報収集・整理が追いつかない等の理由から、警戒避難体制の整備や応急対策工事等の検討のための地すべり災害の全体像の把握や、関係機関との十分な情報伝達・情報共有を行うことが難しい状況にありました。
 こうした災害初動期の課題への対応として、本件の技術により、地すべり全体を俯瞰する「鳥の目」の視点や、地すべりの細部に注目する「虫の目」の視点から、地すべり災害の全体像の把握が可能となり、災害対応として早期に実施すべきことの優先順位の決定や、今後生じうる土砂災害リスクに対する警戒避難体制、応急対策工事の配置・施工計画の検討に寄与します。さらに、対策の進捗に応じた情報を追加・更新した地すべり災害対応のBIM/CIMモデルを関係機関との会議等で共有することで、状況認識の共通化や、判断の迅速化等の効果が期待され、災害対応全般における質の向上、生産性の向上に寄与します。

  
地すべり災害対応のBIM/CIMモデル、第24回国土技術開発賞受賞式

(参考)第24回国土技術開発賞
https://www.jice.or.jp/review/awards/24th