第35回日本道路会議 優秀賞」受賞
受 賞 名: | 第35回日本道路会議 優秀賞」受賞 |
論文題目 : | 模型実験を用いた山岳トンネルにおける耐震対策の効果に関する考察 |
受 賞 者: | 東京都立大学都市環境学部都市基盤環境学科 福島 実奈歩 東京都立大学都市環境学部都市基盤環境学科 教授 砂金 伸治 道路技術研究グループ トンネルチーム 上席研究員 日下 敦 東京都立大学都市環境学部都市基盤環境学科 助教 河田 皓介 |
受賞日:令和5年11月1日
贈賞組織名:東京都立大学
:国立研究開発法人土木研究所
賞の概要:
本賞は、道路技術の向上と道路事業の促進への寄与の観点から、 内容及び発表が特に優秀と認められる論文・事例報告の発表者に授与されるものである。
研究成果の概要:
山岳トンネルは一般に比較的地震に強い構造物とされてきたものの、新潟県中越地震や熊本地震においては、 数は限られるものの覆工の崩落等の大規模な被害が発生している。地震動や地山の性状は不確実性に富むため、 その被害規模を予想することは容易でないことから、新設される通常の道路トンネルにおいては、経験的に覆工 を単鉄筋補強するのみに留まっている。一方、既設トンネルにおいては、いわゆる変状対策として行われる炭素 繊維シートを用いた内面補強や、ロックボルトによる覆工の補強が行われているものの、それらの耐震対策とし ての定量的な効果は不明確であり、山岳トンネルにおける耐震対策はいまだ確立されていないのが現状である。 本研究では、山岳トンネルにおいて一般的に用いられる変状対策工を耐震対策工として適用する場合の効果を 概略的に把握するため、山岳トンネルならびに変状対策工を模擬した二次元静的載荷実験を実施し、地震によ る外力を想定した載荷条件下において変状対策工がトンネル構造へおよぼす影響について検討した。その結果、 対策工には、覆工の破壊や崩落時の挙動におよぼす効果がみられ、致命的な崩壊に至るまでの時間的余裕を確 保できる、すなわち耐震対策工としての効果も期待できる可能性があることが示唆された。
