「(公社)日本地すべり学会 第63回研究発表会 若手優秀発表賞」受賞
受 賞 名: | 「(公社)日本地すべり学会 第63回研究発表会 若手優秀発表賞」受賞 |
受 賞 者: | 深沢洋規 (土砂管理研究グループ 地すべりチーム 交流研究員) |
受賞日:令和6年10月31日(木)
贈賞組織名:(公社)日本地すべり学会
論文題目:地すべり対策事業マネジメントにおける3次元浸透流解析の活用法の検討
本賞は、「(公社)日本地すべり学会 第63回研究発表会」において、満35歳以下の正会員・学生会員の発表者を対象として、講演要旨を対象とした事前審査と、口頭(ポスター)発表を対象とした当日審査をもとに、優秀な発表を行った者を表彰するもの。
地すべり対策事業においては、地すべり活動を早期に抑制する必要から、調査・計画立案と並行して対策に着手するため、当初計画に十分な精度を求めることが難しいという事情がある。そのため、計画どおりに地下水排除効果が得られず、追加対策を複数回実施している事例が少なからず存在している。 そこで本研究では、調査の進捗にあわせて効果予測モデルを修正し、計画を随時見直すというマネジメント手法を検討するため、複数の地すべりブロックを対策対象としている現場を対象として、実際の事業における調査・観測と対策工の実施時期をガントチャートに整理して課題と対応方策を分析した。
分析の結果、対策優先度が高い地すべりブロックから順次事業が実施される傾向があることから、事業初期に着手されるブロックでは計画の随時見直しは難しいものの、それ以降に着手されるブロックについては施工前の調査・観測期間が確保できること、先行ブロックで蓄積された実績データを用いることができることから、 効果予測モデルを随時更新することは可能と考えられた。また、この分析に基づき、調査の進捗にあわせて効果予測モデルを修正し、計画を随時見直すマネジメント手法の基本的枠組みを提示した。
今回の検討ではブロック数が多く、事業期間が比較的長い2地区を対象としたが、今後はブロック数や事業期間が異なる地すべりとの対比を行うとともに、浸透流解析の具体的な活用法についても検討を実施していく予定である。