「第26回河川生態学術研究発表会ポスターセッション優秀賞」受賞
受 賞 名: | 「第26回河川生態学術研究発表会ポスターセッション優秀賞」受賞 |
受 賞 者: |
溝口裕太 (流域水環境研究グループ 自然共生研究センター 専門研究員) 安形仁宏 (建設技術研究所 東京本社 環境部) 森 照 貴 (流域水環境研究グループ 自然共生研究センター 主任研究員) |
受賞日:令和6年11月21日(木)
贈賞組織名:河川生態学術研究委員会・応用生態工学会
論文題目:流域治水の整備に伴うハビタット多様性変化の推定
賞の概要:
本賞は、第26回河川生態学術研究発表会ポスターセッションにおいて、ポスター発表が優秀と認められた者に授与されるものである。
研究成果の概要:
気候変動下において将来の洪水時の流量は約1.2倍、発生頻度は約2倍と推定され、災害の激甚化・頻発化が懸念されています。昨今、総合的かつ多層的な水災害対策である流域治水が全国的に浸透しつつあり、その一つとしてグリーンインフラを活用した流域治水への期待が高まっています。本研究では、谷戸地形や未利用田といったグリーンインフラを生かした流域治水を推進することで、生物多様性の回復に貢献するのか明らかにすることを目的としました。
中部地方を流れる長良川の支川集水域を対象に、衛星画像などを用いて谷戸地形と未利用田を抽出した上で、それらに貯水、浸透機能を付与することで、治水・環境面の効果を試算しました。治水面は、過去3ケースの降雨流出解析から6%ほどピーク流量が低減する可能性が示されました。また、環境面は、トンボの生息適地の観点から検討を行い、対象とした全10種のうち明瞭に適地面積が拡大したのは2種、減少したものは2種と推定されました。引き続き、環境調査データを充実させることで、生息適地モデルの精度向上や、対象種を増やすなど、生物多様性に対するグリーンインフラの効果を評価する手法の検討を深めていきたいと考えています。
- 賞状 -