研究成果・技術情報

「第60回環境工学研究フォーラム 論文賞」受賞

受   賞   名: 「第60回環境工学研究フォーラム 論文賞」受賞
受   賞   者: 對馬育夫 (流域水環境研究グループ水質チーム 主任研究員)
末永敦士 (流域水環境研究グループ水質チーム 交流研究員)
山下洋正 (流域水環境研究グループ水質チーム 上席研究員)

受賞日:令和6年11月26日(火)

贈賞組織名:公益社団法人 土木学会 環境工学委員会

論文題目:ダム貯水池におけるカビ臭発生抑制のための微生物叢解析と対策の検討

賞の概要:

同賞は、令和5年11月29日~12月1日に開催された「第60回環境工学研究フォーラム」における「審査付き論文セッション」で発表された55編のうち、最も優れた研究発表(2編)に対して授与されました。

対象研究成果の概要:

現在のダム貯水池水質管理では、光学顕微鏡を用いた定期調査を行っていますが、水質障害の原因を特定して対処するのが難しい場合があります。そこで、水質チームでは、次世代シーケンサーによる微生物叢の詳細な解析手法を用いた課題解決を目指しています。

本研究は、研究開発プログラムC31の主要研究「水質変化に対応したダム貯水池・湖沼管理の高度化及び効率化に関する研究」に基づく成果です。カビ臭発生が顕在化しているダム貯水池において、次世代シーケンサーを活用し、従来の光学顕微鏡では検出が難しかった微生物を多数確認し、カビ臭との関連性を明らかにしました。

さらに、検出された微生物叢の違いに基づき、ダム貯水池でのカビ臭低減を目指した水質改善装置の運用方法を検討しました。今後は、他のダム貯水池でも本手法によるモニタリングを行い、水質改善の検討事例を積み重ねる予定です。

- 賞状 -