「令和6年度土木学会賞 田中賞(論文部門)」受賞
受 賞 名: | 「令和6年度土木学会賞 田中賞(論文部門)」受賞 |
受 賞 者: |
小野健太 (研究当時 構造物メンテナンス研究センター 研究員) 澤田 守 (研究当時 構造物メンテナンス研究センター 上席研究員 ) 宮下 剛 (名古屋工業大学) 玉越隆史 (国土技術政策総合研究所) |
受賞日:令和7年6月13日(金)
贈賞組織名:土木学会
論文題目:鋼桁パネル隅角部の挙動に着目したせん断力を受ける鋼I桁の機能面からの限界状態の検討
賞の概要:
土木学会田中賞は、橋梁・鋼構造工学に関する優秀な業績に対して授与される学会賞であり、このうち、論文部門は、橋梁工学の発展に大きく貢献したと認められる論文の著者に授与される賞です。
研究成果の概要:
道路橋の設計基準である道路橋示方書が平成29年に改定され、設計体系が許容応力度設計法から限界状態設計法へ移行しました。しかし、限界状態の評価方法は、従来の各部の発生応力度に対する照査基準が踏襲されているものが多く、特に損傷後(可逆性の喪失後)の限界状態の評価は必ずしも確立していません。
本論文では,せん断力を受ける鋼I桁を対象に、荷重増加に伴う鋼桁の力の流れ(耐荷機構)の変化を説明できる力学モデルを検討し、載荷実験等で検証しました。その上で、道路橋示方書で規定されている部材等の限界状態2として扱える状態を検討し、載荷後の残留変位が急増しない限界の状態をその限界状態2の候補点とし、その評価式を提案しました。
本研究は、限界状態設計法を活用し、部分的に損傷が生じたとしても橋の機能を確保できるとみなせる鋼橋の設計法の先駆的な内容を提案するものであり、今後の合理的な鋼橋の設計の実現に貢献することが期待されます。
- 賞状 -