研究成果・技術情報

「第35回日本景観生態学会 ポスター発表 優秀賞」受賞

受   賞   名: 「第35回日本景観生態学会 ポスター発表 優秀賞」受賞
受   賞   者: 松澤優樹 (域水環境研究グループ 自然共生研究センター 研究員 )
森 照貴 (域水環境研究グループ 自然共生研究センター 主任研究員 )

受賞日:令和7年6月21日(土)

贈賞組織名:日本景観生態学会

論文題目:簡易コンテナビオトープは周辺の水辺環境を評価できるのか?

賞の概要:本研究は6月21日に沖縄県金武町で開催された日本景観生態学会第35回大会(JALE2025金武町大会)のポスター発表にて優秀賞を受賞しました。

対象研究成果の概要:

本研究は6月21日に沖縄県金武町で開催された日本景観生態学会第35回大会(JALE2025金武町大会)のポスター発表にて優秀賞を受賞しました。

近年、遊水池や田んぼダムのようなグリーンインフラを活用した流域治水の取り組みが進んでいます。このような取り組みを進める上で、治水機能の向上に加えて、生物の生息場の保全や創出は重要な課題となっています。生物の生息場の保全や創出を実施する上で、生物多様性が豊かな地域や希少種の生息場を把握することは重要です。

本研究では、コンテナボックスに水を貯めることで簡易的なビオトープ(コンテナビオトープ)を作成し、そこに飛来する水生昆虫を調査することでコンテナビオトープの設置地点周辺の「水辺環境の豊かさ」を評価できるかどうかを試みました。

濃尾平野に18地点設置したコンテナビオトープから1科3属25種の水生昆虫が確認されました。このことから簡易的なコンテナビオトープが水辺の生物多様性保全に寄与する可能性が示唆されました。さらに、コンテナビオトープ設置地点の周囲2km以内で実施した水生昆虫の採捕調査とコンテナビオトープに出現した水生昆虫の個体数と種数の間には有意な関係性が示されました。よって、コンテナビオトープに出現する水生昆虫の情報から周辺に生息する水生昆虫の豊かさを評価できる可能性が示されました。今後は一般市民向けの環境教育の素材として学校等への普及を進めるとともに、より広域的な環境評価のツールとして機能させることが目標です。

- 賞状 -