令和7年度(公社)砂防学会「長野大会」若手優秀発表賞 受賞
受 賞 名: | 令和7年度(公社)砂防学会「長野大会」若手優秀発表賞 受賞 |
受 賞 者: |
松永隆正 (土砂管理研究グループ 火山・土石流チーム 研究員) 菅野拓矢 (土砂管理研究グループ 火山・土石流チーム 交流研究員) 伊藤誠記 (土砂管理研究グループ 火山・土石流チーム 上席研究員) |
受賞日:令和7年6月26日(木)
贈賞組織名:公益社団法人砂防学会
論文題目:水文指標を用いた水叩き損傷事例の分析
賞の概要:
本賞は、令和7年度(公社)砂防学会研究発表会「長野大会」において、若手学会員を対象として、優れた調査研究を行い発表した功績を称えるとともに、若手学会員の研究意欲の高揚と砂防に関する調査研究の進展を目的として設けられたもの。
研究成果の概要:
砂防堰堤の機能および性能を長期にわたって維持・確保し続けるためには、適切な時期に点検や修繕を行い砂防堰堤の長寿命化を図ることが重要である。既往研究では砂防堰堤の機能が低下または喪失するような重大な損傷形態として本堤部の破損や転倒、沈下が挙げられている。このうち、本堤部の沈下に至る過程の一つとして水叩きの損傷に伴う基礎地盤の流出が推定されているものの、水叩き損傷を生じさせる降雨規模や流出規模について分析した事例は少ない。そこで本研究では、全国各地で発生した土石流や土砂流による砂防堰堤の損傷事例に基づき、水叩きの損傷とそれが生じた際の経過年数、降雨の確率年、ストリームパワーとの関係を分析した。
分析の結果、水叩きに損傷があった事例はない事例と比べて確率年は小さい降雨により損傷を受けており、長期間の土砂や水の流れにより水叩きの摩耗が進行することで、小さい確率年の降雨で損傷が生じた可能性があることが分かった。今後も引き続き砂防堰堤の水叩き損傷と出水規模などの関係を分析していく予定である。
- 賞状 -