研究成果・技術情報

「第30回舗装工学講演会優秀講演者賞」受賞

受   賞   名: 「第30回舗装工学講演会優秀講演者賞」受賞
受   賞   者: 安藤秀行 (材料資源研究グループ 交流研究員)

受賞日:令和7年8月29日(金)

贈賞組織名:公益社団法人 土木学会

論文題目:繰り返し再生したアスファルトの粘弾性状と微視的構造における再生用添加剤の組成の影響

賞の概要:

舗装工学講演会優秀講演者賞は、舗装工学講演会で発表された論文の中から、開催年度の4月1日時点で35歳未満の発表者に対して、特に優れた発表を行ったものを選定して贈られるものである。

研究成果の概要:

近年,再生用添加剤の組成によって再生したアスファルトや混合物の性状に差異が現れることが報告されている.アスファルト舗装の繰り返し再生利用が進行する状況において,組成を意識した再生用添加剤の選定が必要と考えられるが,再生用添加剤の組成が性状に影響を及ぼす原因の多くは未解明である.

本研究では再生用添加剤の組成と繰り返し再生回数が,再生アスファルトの粘弾性状と微視的構造に与える影響を調べた.その結果,繰り返し再生回数が進むと粘性的であったアスファルトは弾性的に変化し,その傾向は飽和分が多い再生用添加剤で顕著であることがわかった.また AFM による微視的観測によって,飽和分が主体の再生用添加剤では繰り返し再生後にアスファルトと再生用添加剤の分離と推測される現象が確認され,再生用添加剤とアスファルトの相溶性が再生後の性状に影響を与える可能性が示唆された.

今後は改質アスファルトを含む場合や,再生アスファルト混合物の物性との関係を調べることで,アスファルト舗装の適正な再生利用の継続に関する知見を提供できるように目指す。

- 賞状 -