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11.土木施設の寒地耐久性に関する研究

研究機関:平成18年度〜22年度
プロジェクトリーダー:寒地基礎技術研究グループ長 西川純一
研究担当グループ:寒地基礎技術研究グループ(寒地構造、耐寒材料、寒地地盤)、寒地道路研究グループ(寒地道路保全)

1.研究の必要性

 積雪寒冷地の北海道においては、泥炭性軟弱地盤の比較的広範な分布、冬期の多量な積雪と低温などが土木施設の構築、維持管理に著しい影響を与える。このため、積雪寒冷地の特性に適合した土木施設の構築、保守に関する技術を開発する必要がある。

2.研究の範囲と達成目標

 本重点プロジェクト研究では、泥炭性軟弱地盤対策工の合理的・経済的設計法を策定するとともに、耐凍害性に優れたコンクリート、積雪寒冷地における性能低下を考慮した構造物の耐荷力向上及び舗装の耐久性向上、土木施設のマネジメント手法など、積雪寒冷地における土木施設の耐久性を向上させる技術開発を研究の範囲とし、以下の達成目標を設定した。
   (1) 寒冷条件が土木施設に及ぼす影響の判定手法および泥炭性軟弱地盤の長期沈下予測手法の開発
   (2) 土木施設の凍害等による劣化を防ぐ工法の開発
   (3) 土木施設の寒地耐久性を向上させる手法および泥炭性軟弱地盤の合理的対策手法の策定

3.個別課題の構成

 本重点プロジェクト研究では、上記の目標を達成するため、以下に示す研究課題を設定した。
   (1) 泥炭性軟弱地盤対策工の最適化に関する研究(平成18〜22年度)
   (2) コンクリートの凍害・塩害による複合劣化挙動および評価に関する研究(平成18〜22年度)
   (3) 積雪寒冷地におけるコンクリートの耐久性向上に関する研究(平成18〜22年度)
   (4) 積雪寒冷地における性能低下を考慮した構造物の耐荷力向上に関する研究(平成18〜22年度)
   (5) 寒冷地舗装の劣化対策に関する研究(平成18〜22年度)
   (6) 積雪寒冷地における土木施設のマネジメント手法に関する研究(平成18〜22年度)

4.研究の成果

 本重点プロジェクト研究の個別課題の成果は、以下の個別論文に示すとおりである。なお、「2.研究の範囲と達成目標」に示した達成目標に関して、平成18年度に実施してきた研究と今後の課題について要約すると以下のとおりである。

 

(1)寒冷条件が土木施設に及ぼす影響の判定手法および泥炭性軟弱地盤の長期沈下予測手法の開発

 個別課題として、「コンクリートの凍害・塩害による複合劣化挙動および評価に関する研究」、「積雪寒冷地における土木施設のマネジメント手法に関する研究」および「泥炭性軟弱地盤対策工の最適化に関する研究」を実施した。
  コンクリートの凍害・塩害による複合劣化挙動および評価に関する研究では、凍害、複合劣化の進行に及ぼす重要な外部環境因子の絞り込みを図った。凍害の単独劣化および凍害と塩害による複合劣化は、寒冷地のコンクリート構造物が受ける最も多い被害の一つであり、水や塩化物イオンの浸透速度の増加に伴う鋼材腐食の助長が懸念される。凍害は、多くの要因が複雑に組み合わさって発生するため、劣化予測は困難を伴い、未だ有用な予測モデルは開発されていない。このため、コンクリート構造物の耐久性照査に支障をきたしている現状にあり、整備が求められる。そこで、劣化予測や耐久性設計法の開発に向けての一環として、過去20年間に発表された論文を分析し、凍害、複合劣化の進行に及ぼす重要な外部環境因子の絞り込みを図った。その結果、凍結融解回数、温度、塩分、水分、乾燥、日射などの因子を抽出できた。今後は、抽出した外部環境因子が実構造物の劣化に及ぼす影響について定量的に明らかにしていきたい。
  積雪寒冷地における土木施設のマネジメント手法に関する研究では、舗装と橋梁の健全度評価、劣化予測手法の開発を行っている。
  舗装に関しては、路面性状予測精度向上手法の検討として舗装切削工法の供用性曲線作成およびライフサイクルコスト算出、マルコフ遷移確率モデルの予測精度検証、維持修繕戦略最適化手法の検討として舗装マネジメント支援サブシステムの一部改良、および路面管理指標値の検討として路面のわだちが車両挙動に与える影響に関する調査を行った。
  橋梁については、これまで積雪寒冷地向けに開発してきた橋梁補修計画策定支援ツールに補修橋梁の選択支援機能として、橋梁優先順位の定量化手法を加えた。これは、予算が制約される現況において必要とされる手法であるが、実際に補修事業計画を立案する際の、管理者側の支援機能であるため、管理者の意見を取り入れての改善が、今後重要である。
  泥炭性軟弱地盤対策工の最適化に関する研究では、泥炭性軟弱地盤の長期沈下予測手法を開発するとともに、新しい対策工法の設計法・施工管理法を提案するために、現場沈下実態調査を実施した。その結果、供用後の残留沈下がライフサイクルコストに大きな影響を与えることが明らかとなった。特に、泥炭性軟弱地盤対策工マニュアルに示される、高規格幹線道路の許容残留沈下量の最小値(10cm)と最大値(30cm)では、補修費に大きな差が発生し、維持補修値歴を考慮した長期沈下予測および許容残留沈下量について詳細に検討することがライフサイクルコストの最小化に結びつくことが明らかになった。
  さらに、浅層・中層混合処理工法および敷き金網併用プラスチックドレーン工法の泥炭性軟弱地盤に対する改良効果の評価を行い、その適用性、有効性を検証した。
  今後は、泥炭性軟弱地盤の長期沈下予測手法の開発、新しい対策工法の設計法・施工管理法を提案に向けて研究を発展させたい。

(2)土木施設の凍害等による劣化を防ぐ工法の開発

 個別課題として、「積雪寒冷地におけるコンクリートの耐久性向上に関する研究」、「積雪寒冷地における性能低下を考慮した構造物の耐荷力向上に関する研究」、および「寒冷地舗装の劣化対策に関する研究」を実施した。
  積雪寒冷地におけるコンクリートの耐久性向上に関する研究においては、凍害・塩害複合劣化に強いコンクリートをつくるために改良セメントの開発、コンクリート構造物の耐久性を向上するための表面含浸材工法の効果を検証した。改良セメントについては、PC構造物への適用性を検討した結果、用いる混和材の種類により強度発現特性は異なるものの、強度の観点からは十分適用可能と判断できる。また、塩害や凍害に対しても混和材を環境に応じて適切に選定することにより、コンクリートの高耐久化が可能であることが明らかとなった。今後は、凍害と塩害の複合劣化を想定したスケーリング抵抗性や、実構造物への適用を図る上で重要となる収縮特性などについて検討し、実用化へ向けた各種性能の総合的な評価と課題の整理を行う必要がある。
  表面含浸材については、試験施工における調査の結果、施工後1〜2年においては効果の持続が確認されたが、調査期間は2年と短く、現時点でスケーリング面積率の経時変化を将来予測することは困難である。性能照査設計法に対応できる設計施工法を作成するためには、平成19年度以降も引き続き追跡調査を進めていく必要がある。
  積雪寒冷地における性能低下を考慮した構造物の耐荷力向上に関する研究では、橋梁部位の中で損傷を受けやすい床版に着目し、積雪寒冷地特有の劣化作用がもたらす疲労耐久性の影響について検討した。この検討では、道内の既設橋梁から積雪寒冷地特有の劣化作用を受けている床版を切り出し、輪荷重走行試験を行い、積雪寒冷地床版の劣化プロセス及び疲労耐久性を整理するとともに、積雪寒冷地RC床版の損傷度に応じた余寿命予測式を提案した。今後、余寿命予測式の精度向上のため、数多くの実橋床版による疲労試験を行う必要がある。また積雪寒冷地の既設床版の合理的な補修・補強方法を提案するため、各種の補修・補強を施した床版による疲労試験を行う必要がある。また、床版の余寿命を予測するためには、各路線の代表地点における橋梁上を通過する車両の軸重データの収集が必要であると考える。
  寒冷地舗装の劣化対策に関する研究は、長期的に高い耐久性が期待できる新たな舗装材料と工法をについて、積雪寒冷地で適切に運用するための技術を確立し、積雪寒冷地の温度条件と地盤条件に適したアスファルト舗装設計法の確立に取り組むものである。平成18年度は,大粒径混合物(最大骨材粒径30mm)の積雪寒冷地での適用可能性を室内試験において確認した。また、コンクリート版の上にアスファルト層を舗設するコンポジット舗装構造について、追跡調査や現地調査結果を基に、現在提案しているコンポジット舗装構造の適用性の評価を実施し、今後のあり方の検討を行った。寒冷地舗装の設計法に関しては、一般国道に整備した試験施工区間において、ダンプトラックとFWD試験機の載荷によるアスファルト混合物層下面のひずみを測定し、理論的設計法による解析値と近似する結果を得た。また、FWD試験の載荷時に測定される表面たわみ値を逆解析し,舗装各層の弾性係数を算出した。アスファルト混合物の弾性係数は気象条件により変化するため、補正方法として有限要素法を用いた手法の有効性を確認した。

(3)土木施設の寒地耐久性を向上させる手法および泥炭性軟弱地盤の合理的対策手法の策定

 個別課題として、「積雪寒冷地におけるコンクリートの耐久性向上に関する研究」を実施した。泥炭性軟弱地盤の合理的対策手法の策定は平成21〜22年度に実施予定である。
  積雪寒冷地におけるコンクリート構造物の合理的な補修補強工法の開発を目的として、種々の短繊維と連続繊維を用いた補修補強工法に関する検討を行った。短繊維混入吹付けコンクリートと連続繊維メッシュによる補修補強工法については、試験の結果、使用する繊維材料が異なる場合においても、その形状寸法や力学特性に留意することにより、従来と同様の施工性や耐凍害性が確保され、設計・施工が可能であることなどが明らかになった。また、過年度に試験施工を行った構造物の追跡調査の結果、本工法の補修補強効果が十分に保持されていることを確認した。今後は、使用材料や施工方法を検討してさらなるコストの縮減に向けた検討を行うとともに、本工法による RC 構造物の補修補強設計施工法の確立および適用方法をとりまとめる必要がある。

個別課題の成果

11.1 泥炭性軟弱地盤対策工の最適化に関する研究

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム:寒地地盤チーム
研究担当者:西本 聡、林 宏親、橋本 聖

【要旨】
 北海道のような寒冷地には、極めて軟弱で特異な工学的性質を有する泥炭性軟弱地盤が広く分布している。本研究は、泥炭性軟弱地盤対策工のライフサイクルコストを含めた最適化を目指すものである。具体的には、泥炭性軟弱地盤の長期沈下予測手法を開発するとともに、新しい対策工法の設計法・施工管理法を提案する。研究初年度にあたる今年度において、現場沈下実態調査を行った。その結果、供用後の残留沈下がライフサイクルコストに大きな影響を与えることが明らかとなった。さらに、中層混合処理工法および敷き金網併用プラスチックドレーン工法の泥炭性軟弱地盤に対する改良効果の評価を行った。

キーワード:泥炭性軟弱地盤、長期沈下、ライフサイクルコスト、中層混合処理、プラスチックドレーン


11.2 コンクリートの凍害、塩害との複合劣化挙動及び評価に関する研究

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム:耐寒材料チーム
研究担当者:林田 宏、遠藤裕丈、草間祥吾

【要旨】
 凍害の単独劣化および凍害と塩害による複合劣化は、寒冷地のコンクリート構造物が受ける最も多い被害の一つであり、水や塩化物イオンの浸透速度の増加に伴う鋼材腐食の助長が懸念される。凍害は、多くの要因が複雑に組み合わさって発生するため、劣化予測は困難を伴い、未だ有用な予測モデルは開発されていない。このため、コンクリート構造物の耐久性照査に支障をきたしている現状にあり、整備が求められる。そこで、劣化予測や耐久性設計法の開発に向けての一環として、過去20年間に発表された論文を分析し、凍害、複合劣化の進行に及ぼす重要な外部環境因子の絞り込みを図った。その結果、凍結融解回数、温度、塩分、水分、乾燥、日射などの因子を抽出できた。


キーワード:凍害、塩害、複合劣化、外部環境因子


11.3 積雪寒冷地におけるコンクリートの耐久性向上に関する研究

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム:耐寒材料チーム
研究担当者:吉田行、遠藤裕丈、栗橋祐介


【要旨】
 積雪寒冷地におけるコンクリート構造物は、凍害および凍害と塩害の複合劣化を受け耐久性は著しく低下する。そのため、コンクリート構造物の耐久性を向上するための種々の対策が必要となっている。本研究では、新設構造物の耐久性向上として、改良セメントの各種試験の実施および表面含浸工法の試験施工による検証を行った。また、補修補強工法の開発のため、短繊維混入吹付けコンクリートと連続繊維メッシュ併用工法の、種々の短繊維および連続繊維を用いる場合の性能確認試験を行った。その結果、改良セメントおよび表面含浸工法の有効性の一端が確認された。また、種々の繊維材料を用いた場合の補修補強効果および本工法の適用性が確認された。

キーワード:改良セメント、表面含浸材、補修補強、耐久性向上


11.4 積雪寒冷地における性能低下を考慮した構造物の耐荷力向上に関する研究

研究予算: 運営交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム: 寒地構造チーム
研究担当者:石川博之、西 弘明、三田村浩、佐藤 京、安達 優


【要旨】
 北海道における橋梁の架設年次は、高度経済成長時代の1960〜70年代前半までの建設が多く、もうすぐ既設橋の寿命と言われている50年を迎えようとしている。膨大な既設構造物の維持管理時代の到来に備え、維持管理に資する効率化が求められている。本研究では、橋梁部位の中で損傷を受けやすい床版に着目し、積雪寒冷地特有の劣化作用がもたらす疲労耐久性の影響について検討した。実験方法は、道内の既設橋梁から積雪寒冷地特有の劣化作用を受けている床版を切り出し、輪荷重走行試験を行った。これより、積雪寒冷地床版の劣化プロセス及び疲労耐久性を整理するとともに、積雪寒冷地RC床版の損傷度に応じた余寿命予測式を提案した。

キーワード:積雪寒冷地、既設RC床版、疲労耐久性、輪荷重走行試験、余寿命予測


11.5 寒冷地舗装の劣化対策に関する研究

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム:寒地道路保全チーム
研究担当者:田高淳(上席),石田樹(総括),安倍隆二(主任研),丸山記美雄(主任研)


【要旨】
 本研究では,長期的に高い耐久性が期待できる新たな舗装材料と工法を,積雪寒冷地で適切に運用するための技術確立とともに,積雪寒冷地の温度条件と地盤条件に適したアスファルト舗装設計法の確立に取り組む.平成18年度は,大粒径混合物(最大骨材粒径30mm)の積雪寒冷地での適用可能性を室内試験において確認した.また,コンクリート版の上にアスファルト層を舗設するコンポジット舗装構造に関しては,追跡調査や現地調査結果を基に,現在提案しているコンポジット舗装構造の適用性の評価を実施し,今後のあり方の検討を行った.さらに,構造的な耐久性向上策として疲労破壊特性の向上が挙げられるが,その散逸エネルギーによる評価方法の有効性を室内試験で確認した.寒冷地舗装の設計法に関しては,一般国道に整備した試験施工区間において,ダンプトラックとFWD試験機の載荷によるアスファルト混合物層下面のひずみを測定し,理論的設計法による解析値と近似する結果を得た.また,FWD試験の載荷時に測定される表面たわみ値を逆解析し,舗装各層の弾性係数を算出した.アスファルト混合物の弾性係数は気象条件により変化するため,補正方法として有限要素法を用いた手法の有効性を確認した.

キーワード:舗装設計法,高耐久性舗装材料,高耐久性舗装工法


11.6 積雪寒冷地における土木施設のマネジメント手法に関する研究(1)

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平22
担当チーム:寒地道路保全チーム
研究担当者:田高淳(上席),石田樹(総括),丸山記美雄(主任研),清野昌貴(研究員)


【要旨】
 積雪寒冷環境下での舗装の劣化傾向を的確に予測し,それらの維持修繕・補強を予防保全の観点から戦略的に行い,ライフサイクルコストを低減する技術が必要不可欠である.本研究では,積雪寒冷地におけるわだち掘れやすり減り,クラックなどの舗装路面の劣化,舗装構造体の健全度評価と劣化を精度よく予測する手法と,維持修繕費などの道路管理者費用と道路利用者費用のライフサイクルコスト(LCC)解析により最適な維持修繕・補強計画シナリオを提供するためのシステムを構築することを目的とする.平成18年度は,路面性状予測精度向上手法の検討として舗装切削工法の供用性曲線作成およびライフサイクルコスト算出,マルコフ遷移確率モデルの予測精度検証,維持修繕戦略最適化手法の検討として舗装マネジメント支援サブシステムの一部改良,および路面管理指標値の検討として路面のわだちが車両挙動に与える影響に関する調査を行った.

キーワード:舗装マネジメント,劣化予測,ライフサイクルコスト


11.7 積雪寒冷地における土木施設のマネジメント手法に関する研究(2)

研究予算:運営交付金(一般勘定)
研究期間:H18〜22
担当チーム:寒地構造チーム
研究担当者:石川博之、西弘明、三田村浩、佐藤京、表真也、安達優


【要旨】
 北海道開発局で管理している約3,600の橋梁のうち,その多くは三十数年から四十年を経過しており,橋梁の余寿命等を考えると,近い将来橋梁の維持補修事業の大幅な増加が予想される.一方,今後の厳しい財政状況を鑑みると,多額な費用を要する架け替えを方策として選択することは現実的ではない.したがって,LCCの低減を目指した適切な補修による長期延命化や効率的な維持管理計画の策定が不可欠となっている.このような背景を受けて,当チームでは橋梁補修計画策定支援ツール,CBMS(CERI Bridge Management System)の研究を進めてきた.維持管理計画の策定には予防保全型補修が最適であることは既往の研究で明確となっているが,北海道開発局が管轄する全橋梁の維持管理を予防保全型にするには,橋梁の健全度を高いレベルにする必要があり,移行初期の段階に多額の費用を必要とする.現在の社会基盤整備事業の予算では,予防保全型への移行は段階的に実施することが要求されるため,補修橋梁の選定が必要となる.そこで,本研究ではCBMSのプロトタイプシステムの作成を行うとともに,CBMS事業計画における補修橋梁の選択支援機能として,橋梁優先順位の定量化手法の一提案を行った.

キーワード:優先順位、北海道橋梁維持管理システム(CBMS)、予防保全型補修、事業計画