土木研究所を知る

  • HOME
  • 研究成果・技術情報
12.循環型社会形成のためのリサイクル建設技術の開発

研究期間:平成18年度〜22年度
プロジェクトリーダー:材料地盤研究グループ長 脇坂安彦
担当研究グループ:材料地盤研究グループ(上席研究員(特命事項担当)、新材料、リサイクル)、道路技術研究グループ(舗装)

1.研究の必要性

 地球環境を維持保全していくためには、限りある資源を有効に活用し、省資源、省エネルギーに努め、循環型の社会を構築していくことが不可欠である。大量の資源を用いている建設分野にも、その一翼を担うことが求められている。具体的には、まず、生活や産業活動から発生する有機性廃棄物、建設副産物や産業廃棄物などのリサイクル促進、下水汚泥をはじめとするバイオマスの有効活用などの技術開発を進めていく必要がある。次に、建建設分野への利用要請が高まってきている他産業リサイクル材料の利用を促進するために、利用者が安心して使えるリサイクル材料の評価、利用技術の確立が求められている。さらに、国土交通省所管事業から毎年大量に発生しているバイオマスは、これまで廃棄、処分の対象とされてきたが、地球温暖化対策などの点からも、これらを資源と位置付け、安全性を確保した上での積極的な利用が求められている。

2.研究の範囲と達成目標

 本重点プロジェクト研究では、建設分野のリサイクル技術のうち、他産業リサイクル材料の利用評価法、舗装分野のリサイクル技術および公共事業由来バイオマスの資源化技術の開発を研究の範囲とし、以下の達成目標を設定した。
   (1) 他産業リサイクル材料利用のための評価手法の提案
   (2) 舗装分野のリサイクル技術の開発
   (3) 公共事業由来バイオマスの資源化技術の開発

3.個別課題の構成

 本重点プロジェクト研究では、上記の目標を達成するため、以下に示す研究課題を設定した。
   1) 他産業リサイクル材料の有効利用技術に関する研究(平成18〜21年度)
   2) 溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(1)(平成17年度〜20年度)
   3) 溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(2)(平成17年度〜20年度)
   4) 劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(1)(平成18年度〜21年度)
   5) 劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(2)(平成18年度〜21年度)
   6) 公共事業由来バイオマスの資源化・利用技術に関する研究(平成18年度〜20年度)

4.研究の成果

 本重点プロジェクト研究の個別課題の平成18年度における成果は、以下の個別論文に示すとおりである。なお、既述の達成目標に関して、成果と今後の課題について要約すると次の通りである。

 

(1)他産業リサイクル材料利用のための評価手法の提案

 「他産業リサイクル材料の有効利用技術に関する研究」では、「建設工事における他産業リサイクル材料利用技術マニュアル」(土木研究所編著、大成出版刊行)では記述されていない他産業リサイクル材料利用技術についても、既存文献の調査を行った。また、同マニュアルでは詳しい解説を避けている経済性等についての指標を確立するための調査を行った。さらに、同マニュアルでは、「今後の検討を待つ材料」に分類されている貝殻をコンクリート製品の細骨材として利用するための基礎実験であるモルタル試験を行った。
 新たなリサイクル材料と利用技術の抽出における成果は次のとおりである。
1) 科学技術振興事業団が提供する科学技術文献速報のオンライン検索を利用して、過去五カ年に遡り発表された文献のうち、同マニュアルに関係するものは41文献であった。
2) これらの文献の中で、同マニュアルでは扱われていないリサイクル材料とその利用方法に関わるものは、28文献であった。
3) これらのリサイクル材料と利用用との組み合わせは、同マニュアルに記載されているが、処理方法が異なるものと副産物が同マニュアルには記載されていないものに分類された。
 新たな経済性等に関する評価指標の検討の検討結果は次のとおりである。
4) 経済学的観点からの評価項目としては、製造された製品価格への外部費用が転嫁、リサイクルの費用対便益、リサイクルによる経済的効果の適正な分配、リサイクル材料と通常材料との競合の有無が抽出された。
5) 通常材料の代替材料としてのリサイクル材料にとって、通常の材料と同じ市場での流通を前提とすると、供給量と需要量の均衡および適時性を確保することは困難である。しかし、リサイクル材料が通常材料によって形成される市場と全く異なる新規市場に投入される場合には、供給需要の均衡および適時性を確保することが可能である。
6) リサイクル材料は、廃棄物を原料とするので、原材料の製造過程で発生するエネルギー消費は零と見なすことが出来る。したがって、廃棄物を使ってリサイクル材料を製造する過程で消費するエネルギーと通常の材料を製造する過程で使用する原材料と材料製造の両方で消費するエネルギーを比較することになる。
7) 地球温暖化に関わる環境負荷とリサイクル材料の関係は、上記の消費エネルギーとほぼ同様の関係が成り立つ。
 貝殻をコンクリート製品の細骨材として利用するために行ったモルタル試験の結果は次のとおりである。
8) 貝殻砂はコンクリート用細骨材として十分な品質を有していることが確認された。
9) 貝殻砂を用いたフレッシュモルタルの性状を検討した結果、数種類の暫定的なモルタル配合を選定した。
10) 貝殻砂10%混合では、AE減水剤を標準使用量の2割増とすることによって、フロー値は171と良好な値が得られた。
11) 貝殻砂30%混合では、標準使用量の中性能AE減水剤で、フロー値が177と良好な値が得られた。
12) 貝殻砂50%混合では、標準使用量の2割増の高性能AE減水剤を使用した場合、フロー値は170と良好な値が得られた。
13) コンクリートの配合を仮定し、貝殻使用による経済性を比較したところ、中性能減水剤を使用した場合には、貝殻砂を混入させないコンクリートよりも費用を減ずることができる。しかし、高性能AE減水剤を使用すると、費用は高くなる。
 今後の課題としては以下のものがある。
1) 18年度に抽出された情報を補完するための文献調査や聞き取り調査を行う必要がある。
2) 今回の文献調査時点以降に発表された文献調査も実施する必要がある。
3) 新たな評価指標を用いて、これまでに得られているリサイクル材料の利用技術(同マニュアルも含む)を再評価する必要がある。
4) モルタル供試体の結果を参考にして、貝殻砂を細骨材としたコンクリート供試体の実験を実施する必要がある。
 「溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(1)」では、非鉄金属スラグを対象として、舗装へ利用した場合の資源消費、資源保全、環境負荷について試算を行い、適用性について検討を行った。その結果、以下の成果が得られた。
1) 細骨材の一部をスラグで代替する場合は、スラグへの置換え率があまり大きくならず、通常の骨材と比べて、環境負荷はあまり変わらないものと考えられた。
2) 路盤材としてスラグを利用する場合、スラグへの置換え率が大きくなりやすく、環境負荷が増大する傾向がみられた。
3) 環境負荷増大の原因は、輸送距離が長いことが挙げられ、これを小さくすれば、通常よりも環境負荷を低減させられる可能性もあると考えられた。
 ただし、今回の検討では、以下のようないくつかの課題があり、今後これらの解決が必要である。
1) 天然骨材の生産については、ダイナマイトの使用による負荷や、土地利用改変による環境影響など、評価が出来ていないものがある。
2) アスファルト混合物生産については、プラント内での重機の使用実態がつかめず、計算に含めることが出来ていない。
3) スラグについては、スラグ自体が安全なものを前提としているが、安全性の確保のための方策が必要である。
4) スラグ利用の場合も、生産効率は変わらないと仮定しているが、詳細の確認が必要である。
5) スラグ利用の場合も、舗装の性能は同じと仮定しているが、確認が必要である。
6) ライフサイクルコストも考慮した解析が必要である。
7) 舗装発生材は、99%再利用されているが、スラグ利用の場合、2回目以降の再利用の際に障害がでないか、確認が必要である。
 「溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(2)」では、溶融スラグを使用した舗装に関する文献調査および水浸ホイールトラッキング試験、ならびに非鉄金属スラグを用いた舗装の促進耐久性試験結果から、舗装に利用した場合の耐久性について検討を行った。その結果、以下のことがわかった。
1) 溶融スラグ混入舗装の耐久性試験に関する文献調査の結果、実験室での試験ではスラグの混入により混合物性状が低下する傾向がある。
2) 水浸ホイールトラッキング試験の結果では、スラグの混入によりアスファルト混合物のはく離率が増加する。
3) 舗装走行実験場での非鉄金属スラグ混入舗装の耐久性試験では、粒子形状等の改良を行えば通常の舗装と同程度の耐久性を有する。
4) 溶融スラグ等の再生資材を使用するために必要となる様々な費用を算定した結果、材料単価が安く材料費は低下するものの、プラント出荷量や品質管理レベルによっては、継続的に出荷するための設備費や出荷合材の安全性に関する品質保証のコストが上昇する。
 今後の課題として次のようなものがある。
1) 再生資材の適切な有効利用のためには、資源リサイクルを社会全体の視点から捉え、資源を廃棄しないことや天然資源の使用を抑制できることなどによる経費節減、環境負荷を低減できることによる便益を再生利用のための費用と比較評価して総合的に判断することが求められる。再生利用による便益が大きければ、利用コストが増大することに問題はないと考えられるが、経済評価を適切に実施してコスト構造を明らかにしておく必要がある。
2) 本研究で試算したコストは、溶融スラグ等を利用する際の使用者側費用の一部を算定したものである。使用におけるコスト分析では、舗装の耐久性、すなわち供用寿命から決まる更新サイクルの影響が大きいが、現時点では情報不足で定量的な評価は困難である。また、利用コストには溶融施設等の製造者側のコストもあり、これらを含めた総合的な検討が必要である。今後、舗装の供用性や再リサイクルに関する検討を進めるとともに、コスト評価についてのデータを蓄積して適用性の総合的な検討を続けていく必要がある。

(2)水質リスク評価および対策技術の開発

 「劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(1)」では、アスファルト舗装発生材・再生合材製造方法の実態調査、および排水性舗装発生材再生舗装の長期耐久性の評価を行った。その結果、以下の成果が得られた。
1) アスファルト舗装発生材の実態調査から、繰返し再生履歴を経た発生材および改質アスファルトを含む発生材が増加すること、再生骨材混入率の高い製造施設が増えていることを確認した。
2) 直轄国道における再生排水性舗装の追跡調査結果では、現時点において排水性舗装発生材再生舗装の耐久性には問題は生じていない。
3) 排水性舗装発生材と通常の密粒系舗装の混合発生材を再生利用した試験舗装において、配合設計および施工性に問題はみられなかった。
 「劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(2)」では、舗装発生材の品質評価方法の検討、および再生用添加剤の品質評価方法の検討を行った。その結果、以下のことが明らかになった。
1) 舗装発生材の評価ではアスファルトモルタルでの評価が可能と考えられた。
2) 再生用添加剤の評価では、繰返し劣化を評価する方法が必要と考えられた。

(3)公共事業由来バイオマスの資源化技術の開発

 「公共事業由来バイオマスの資源化・利用技術に関する研究」では、国土交通省管轄の公共事業から毎年定期的に大量に発生しているバイオマスを資源と位置付け、安全性を確保しつつ積極的な利用推進に繋げることを目的に、バイオマスインベントリーシステム開発のための基礎調査や微量有機汚染物質に関するヒヤリングを行うとともに、資源化技術や利用技術の開発に関する実験研究を行った。その結果、以下の成果が得られた。
1) バイオマスインベントリーの構築の基礎となるフィールドデータを得るための現地踏査を行い、北海道から九州までの各地方整備局管内に河川と道路の調査フィールド21箇所を設定した。また、合わせて組成分析用の草木を採取した。
2) 道路や河川の管理において雑草抑制薬剤等の使用について聞き取りを行った結果、薬剤の使用はないとのことであった。このために微量有機汚染物質による安全性への具体の取り組みは必要ない。
3) エネルギー変換技術として加圧流動燃焼システムを構築し、パイロットプラント実験に着手した。その結果、システムの自立運転が達成でき、実用化に近づいたと思われる。また、草木と下水汚泥の混合燃焼エネルギー変換を目指した基礎データとして、40種類の草木の組成性状分析を行った。それらの高位発熱量は14,230〜20,740 kJ/kg-乾重の範囲にあった。
4) 大量炭化技術を開発するために刈草雑草と破砕木質を用いた実験を炭化温度300〜450℃で行った結果、排ガス中の可燃ガス組成は雑草では低温度域でCOとCH4濃度が高く、H2は全体的に低かった。破砕木質では高温になるほどCOやCH4濃度が高く、合わせてH2濃度も高くなっていた。
5) バイオガスエンジンを開発するために、CH4とCO2の純ガスを用いた混合燃焼実験を行った結果、CO2濃度が高まる毎にエンジン回転が不安定となり、特に30 %-v/vよりも高濃度となると稼動不能となった。この解決のためには燃料組成・品質に応じたエンジン制御システムが必要である。
個別課題の成果

12.1 他産業リサイクル材料の利用技術に関する研究

研究予算:運営費交付金(一般勘定)
研究期間:平18〜平21
担当チーム:材料地盤研究グループ(新材料、リサイクル、土質)
研究担当者:明嵐政司(特命事項担当上席)、 西崎 到(上席)、冨山禎仁、 尾崎正明(上席)、宮本綾子、
        小橋秀俊(上席)、森 啓年

【要旨】
 本研究の目的は、他産業廃棄物を原料としたリサイクル材料を土木分野で活用するために、リサイクル材料の工学的性能や環境安全性等を評価する手法を提案し、研究結果をとりまとめて、「建設工事における他産業リサイクル材料利用技術マニュアル(第二版)」を策定することである。平成18年度は、「建設工事における他産業リサイクル材料利用技術マニュアル」(土木研究所編著、大成出版刊行)では記述されていない他産業リサイクル材料利用技術についても、既存文献の調査を行った。また、「同マニュアル」では詳しい解説を避けている経済性等についての指標を確立するための調査を行った。 これに加えて、「同マニュアル」では、「今後の検討を待つ材料」に分類されている貝殻をコンクリート製品の細骨材として利用するための基礎実験であるモルタル試験を行った。

キーワード:他産業リサイクル材料、建設工事、経済性、貝殻


12.2 溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(1)

研究予算:運営交付金(道路整備勘定)
研究期間:平17〜平20
担当チーム:材料地盤研究グループ(新材料)
研究担当者:西崎到、新田弘之

【要旨】
 近年、資源の有効活用、最終処分場の枯渇などを背景として、溶融スラグをはじめとした再生資材の開発が盛んとなっており、中でも舗装用として他産業からの再生資材の開発が発生者を中心に多くなっている。しかし、これらの他産業再生資材は、リサイクルにはなっているものの、製造時から廃棄に至るまでの全過程での環境負荷低減に寄与しているかが不明なのが現状である。
  そこで、平成18年度は、非鉄金属スラグを対象として、舗装へ利用した場合の資源消費、資源保全、環境負荷について試算を行い、適用性について検討を行った。その結果、輸送による環境負荷の割合が大きく、輸送距離が短い箇所であれば、比較的環境負荷が小さいことが分かった。

キーワード:リサイクル、銅スラグ、フェロニッケルスラグ、LCCO2、LCA


12.3 溶融スラグ等の舗装への適用性評価に関する研究(2)

研究予算:運営交付金(道路整備勘定)
研究期間:平17〜平20
担当チーム:道路技術研究グループ(舗装)
研究担当者:久保和幸、佐々木厳

【要旨】
 近年、資源の有効活用、最終処分場の枯渇などを背景として、溶融スラグをはじめとした再生資材の開発が盛んとなっており、中でも舗装用として他産業からの再生資材の開発が発生者を中心に多くなっている。しかし、これらの他産業再生資材は、リサイクルにはなっているものの、製造時から廃棄に至るまでのトータルでの環境負荷やコストの低減に寄与しているかが不明なのが現状である。
  そこで、平成18年度は、溶融スラグを使用した舗装に関する文献調査及び水浸ホイールトラッキング試験、ならびに非鉄金属スラグを用いた舗装の促進耐久性試験結果から、舗装に利用した場合の耐久性について検討を行った。その結果、長期耐久性はまだ明らかでないものの従来材料と同程度の耐久性があることがわかった。また、材料費、新規設備費、環境安全性に関する品質保証費などの製造施工費用への影響を算定した。

キーワード:リサイクル、溶融スラグ、銅スラグ、フェロニッケルスラグ、耐久性、LCC


12.4 劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(1)

研究予算:運営交付金(道路整備勘定)
研究期間:平18〜平21
担当チーム:道路技術研究グループ(舗装)
研究担当者:久保和幸、佐々木厳、加納孝志

【要旨】
 近年、繰り返し再生されたアスファルトやポリマーを含むアスファルトの増加などの理由により、舗装発生材に含まれるアスファルトの針入度が低下傾向にあり、このままでは、再生アスファルト混合物に使用できる舗装発生材が減少するおそれがある。
  本課題では、針入度の低い舗装発生材をより高度に利用するために、品質規定の見直しなども含む技術開発を行うことを目的として実施している。平成18年度は、アスファルト舗装発生材・再生合材製造方法の実態調査、および排水性舗装発生材再生舗装の長期耐久性の評価を行った。その結果、繰返し再生履歴を受けるアスファルト舗装発生材は今後飛躍的に増加することを確認した。排水性舗装発生材を再生利用した試験舗装の追跡調査では耐久性に問題はみられなかった。

キーワード:リサイクル、繰返し再生、再生アスファルト混合物、排水性舗装


12.5 劣化アスファルト舗装の再生利用に関する研究(2)

研究予算:運営交付金(道路整備勘定)
研究期間:平18〜平21
担当チーム:材料地盤研究グループ(新材料)
研究担当者:西崎到、新田弘之

【要旨】
 近年、繰り返し再生されたアスファルトやポリマーを含むアスファルトの増加などの理由により、舗装発生材に含まれるアスファルトの針入度が低下傾向にあり、このままでは、再生アスファルト混合物に使用できる舗装発生材が減少するおそれがある。
  本研究では、針入度の低い舗装発生材をより高度に利用するために、品質規定の見直しなども含む技術開発を行うことを目的として実施している。平成18年度は、舗装発生材の品質評価方法の検討、および再生用添加剤の品質評価方法の検討を行った。その結果、発生材の品質評価ではアスファルトモルタルによる評価方法の可能性を見いだし、再生用添加剤では繰返し再生を考慮した評価の必要性などが見いだされた。

キーワード:リサイクル、繰返し再生、再生アスファルト、再生アスファルト混合物、再生用添加剤


12.6 公共事業由来バイオマスの資源化・利用技術に関する研究

研究予算:運営交付金(一般勘定)       
研究期間:平18〜平20
担当チーム:材料地盤研究グループ(リサイクル)
研究担当者:尾崎正明、落修一、山下洋正、宮本綾子、牧孝憲

【要旨】
 国土交通省管轄の公共事業からは、毎年定期的に大量のバイオマスが発生している。本研究は、これらを資源と位置付け、安全性を確保しつつ積極的な利用推進に繋げることを目的に、バイオマスインベントリーシステム開発のための基礎調査や微量有機汚染物質に関するヒヤリングを行うとともに、資源化技術や利用技術の開発に関する実験研究を行った。その結果、インベントリーに必要なバイオマス種毎の組成性状を明らかとした。また、雑草抑制に薬剤使用の例は無かった。開発実験からはエネルギー変換技術に関しては完成が近いと思われ、バイオガスエンジンの開発には更に基礎的な実験を重ねる必要があると思われた。

キーワード:バイオマス、公共緑地、エネルギー、ガスエンジン、微量有機汚染物質