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体感指標作成のための温冷感覚調査

   温冷感覚指標の値が実際の温冷感覚とどのような対応関係にあるかを調べるには、実際に屋外にて温冷感覚と気象条件の調査が必要となります。(3)で述べる適用結果は、市街地、水辺空間、沿道、公園、緑陰等の空間を対象に実際に行った温冷感覚の申告実験と気象条件の測定に基づくものであり、ここではこの調査方法について概説します。
    現地調査で計測した気象要素は、気温、湿度、風速、グローブ温度で、これらの値から人体への入力放射量(放射温度)を推定することができます。気象要素は1地点あたり5分間計測しました。温度と湿度は日射を遮蔽したセンサーで計測し、グローブ温度は環境条件が大きく変わると安定した指示値を得るのに時間がかかるため、それぞれの計測地点に予め設置しておきます。指標値の算出に当たっては温度、湿度、風速等の5分間平均値を用います。
    熱環境が同一でも、人間の温冷感覚は、個人差、男女差、年齢差により異なり、平均的には、女性より男性が、また、熟年者より若年者の方が暑く感じる。このような個人差を平均化するため、1地点当たりの被験者は原則として性別、年齢層に幅を持たせた10名とし、各自の申告値の平均を各時刻、各地点における平均的温冷感覚として用います。被験者は、各地点で5分間程度立位・脱帽状態で佇んだ後、温冷感覚に関する6〜8段階の選択肢より最も適当と思われるものを選択し、用紙に記入します。温冷感覚を表す尺度として、例えば表-2に示すカテゴリーがGaggeらにより用いられていますが、日本語では夏期に「暖かい」、冬期に「涼しい」という表現は一般的に用いられないことから、季節により選択肢を使い分けた表-2を用いました。観測時の気象条件の範囲は表-3に示すとおりです。

表-1 温冷感覚のスケール

表-2 温冷感覚と快適感に関する選択肢

表-3 現地観測時の気象条件



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