国立研究開発法人 土木研究所

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佐々木地質研究監が地質リスクマネジメントについて講演しました

 全国地質調査業協会連合会(全地連)が高松市で開催した「第29回技術フォーラム2018」の特別セッション「地質リスクマネジメント」で、 土木研究所の佐々木地質研究監が「地質の不均質性とリスク-過去の経験、今の動向-」をテーマに特別講演しました。

写真-1 開会挨拶する全地連成田会長。このほか、平井四国地方整備局長、浜田香川県知事、大西高松市長より来賓挨拶あり。
写真-1 開会挨拶する全地連成田会長。
このほか、平井四国地方整備局長、浜田香川県知事、大西高松市長より来賓挨拶あり。

 技術フォーラムは全地連が毎年1回、全国各地で全地連関係者の技術研鑽等を目的として、現場事例や研究、開発技術について発表や展示を行うものです。 今年は高松市で9月6-7日の2日間にわたり行われました。

 開会式では、成田会長の挨拶に続き、平井四国地方整備局長、浜田香川県知事、大西高松市長から来賓挨拶がありました(写真-1)

 佐々木地質研究監の講演では、近年発生した博多陥没事故や斜面災害などを例に、「地質の不均質性」が事故や災害の素因であり、 その不均質性を「リスクに応じた適切な精度」で把握することが地質リスクマネジメントのポイントであることを指摘しました。


   写真-2 講演する佐々木地質研究監

 また、リスクが発現するのは、地質調査の精度不足だけでなく、地質の不均質性や地質調査の不確実性に対する事業者・設計者・施工者等の関係者の認識不足や情報共有不足など「人的な要因」が 大きいことから、関係者が組織的なリスクマネジメント体系を構築して実施することが重要であることが述べられました。


        写真-3 講演風景

 さらに、最近の動向として、国土交通省では、博多陥没事故等を受けた社会資本整備審議会において「地盤リスクアセスメント技術の体系化等を行う必要がある」との答申があったこと、 これを受け国土交通省と土木研究所では、学界や業界と連携して、「地質・地盤リスクマネジメントに関する基本的な考え方(基本指針)」を整理しようとしていることなどを紹介しました。
 なお、土木研究所では昨年度から所内に「地質・地盤リスクマネジメント研究会」を立ち上げ、今年度からは地質・地盤リスクマネジメントに関する複数の重点研究を開始しています。 今後、リスクマネジメントは公共土木事業において重要な手法となると考えられますので、土木研究所では関係機関と連携し、技術的な手法の体系化を進めていく予定です。

「地質の不均質性とリスク―過去の経験,今の動向-」pdf形式(380KB)