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山口理事が社会基盤メンテナンスエキスパート資格者にダムの維持管理に関する講演を行いました

 山口大学工学部社会建設工学科は、一般財団法人山口県建設技術センターの支援を受けて、 産官学が協働してインフラ再生技術者(特に地方の技術者)を育成する場として「社会基盤メンテナンスエキスパート山口養成講座」を平成27年度より開催されています (平成26年度は試行講座を開講)。この講座は、社会基盤整備に携わる技術者を対象に、橋梁やトンネルなどの維持管理について座学と実習を実施し、受講後の修了認定試験に合格すると、 国土交通省登録資格である「社会基盤メンテナンスエキスパート山口(ME山口)」に認定されます。

 今回、山口理事(当方)は、平成30年12月12日(水)に、ME山口の修了者および受講者を対象に、 山口大学工学部において開催されたフォローアップ講演会において、「ダムの維持管理と長寿命化」と題した講演を実施する機会を得ました(写真-1参照)。

 当日、講演会には、山口県をはじめとした地方自治体、民間企業、山口大学などの産官学の技術者および研究者20数名の参加がありました。

 当方の講演の構成は、①ダム機能とダム型式、②管理ダム数の推移と維持管理の重要性、③ダムの維持管理の特徴と方針、 ④ダム総合点検の概要、⑤総合点検で明らかになった技術的課題と調査事例、⑥ダムの長寿命化技術、としました。

 本講演では、ダムに関る技術者以外の方々が多く参加していることも考慮し、まずはダムの機能や型式について簡単に説明しました。 その後、他の土木構造物と同様、完成後長期間経過したダム数が増加しており、効果的かつ効率的な維持管理が必要である現状について述べました。 また、堤体や基礎地盤等の土木構造物、機械設備、電気通信設備、貯水池などの多くの施設・設備から構成されるダムの維持管理上の特徴や留意点について説明した後、 ダム施設の長期供用を目指した維持管理にために国土交通省により制度化された「ダム総合点検」について、平成25年に発刊された要領に従って解説するとともに、 総合点検で明らかになった術的課題と調査事例を紹介しました。最後に、ダムの長寿命化を達成するための技術として、健全度診断技術、保全対策技術及びダム再生技術などについても紹介して、 講演を締めくくりました。

 今回の講演が、受講者の方々の今後の業務遂行における参考になれば幸いであると考えています。

山口理事の講演の様子
写真-1 山口理事の講演の様子