国立研究開発法人 土木研究所

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年頭のご挨拶

 



国立研究開発法人土木研究所理事長藤田光一

 新年 明けましておめでとうございます。
 土木研究所は、本年、次のような抱負をもって歩んで参ります。

□ 100年にわたる取り組みの蓄積が持つ価値を改めて理解し、それ
  に甘えず、開拓精神を先人から学び、前に進む。
   →土木研究所は昨年9月に創立百周年を迎え、101年目に踏み
    出しました。職員一同決意を新たにしているところです。

□ 一貫して「現場の課題が本当に解決されるか? 実際・実物がどう
  なるか?」を主軸に培ってきた研究開発力・技術力を、デジタル
  関係など様々な技術が勃興する中でこそ活かし、DX実質化への
  駆動力を発揮する。
   →土木技術とそれに基づく諸判断は、シミュレーションを含む
    デジタルの世界とリアルな世界とのギャップが生じやすい分
    野です。2つの世界を巧くつなげることが本質的に重要で、
    そこに醍醐味があります。

□ 貢献の3つの柱〔自然災害からいのちと暮らしを守る国土づくり/スマートで持続可能な社会資本の
  管理/活力ある魅力的な地域・生活〕からなる第5期中長期計画の推進をブーストさせる。
   →6年計画の2年目に入ります。国民が期待する目標の達成、社会が抱える重要課題の解決を基軸
    に、従来思考・枠組みから時に離れて深く広く柔軟に考え、具体のものを出し議論していきま
    す。

□ 自らの研究開発力の発揮はもとより、研究・技術開発や成果実装の多様な取り組みの結節点となるよ
  うな役割を充実させて行く。
   →1980年代以降、様々なタイプ・分野の機関・研究者などとの共同研究を積み重ね、成果報告
    書は560余を数えます。そうした取り組みを継続発展させ、また、研究開発や成果実装に向か
    う力を新たな形で糾合していくことにも取り組んでいきます(次期戦略的イノベーション創造プ
    ログラム(SIP)の「スマートインフラマネジメントシステムの構築」のフィージビリティス
    タディを担う研究推進法人となっています)。

□ 土木技術を活かした国際貢献の取り組みを、もう一段高め深める。
   →世界各国の様々な研究者や実務者が一堂に会し、最新の知見・情報・経験を共有する「第9回洪
    水管理国際会議(ICFM9);本年2月/於 つくば」を、水災害・リスクマネジメント国際セン
    ター(ICHARM)が主催します。これは、ICHARMのミッション遂行〔研究開発⇔能力育成⇔国
    際的な情報ネットワークの構築〕の相乗性をさらに高めることにもなります。

□ 研究開発成果の最大化、研究者・技術者としての成長・充実、研究所で仕事をする皆さんの多様な資
  質の発揮がなされるより良い環境をつくり、絶えず磨いていく。
   →今ある仕事のやり方はその存在に意味があると言うよりも、土木研究所が果たすべき責務を前提
    に、この環境を整えるためにあると考え、コロナ禍などの諸事案も奇貨と受け止め、新しいやり
    方も追求していきます。そうして、仕事に様々に達成感や面白さを見いだせるようになることを
    目指していきます。

 災害など現場が厳しい状況に置かれた時に技術支援を最優先で行うことを変わらず旨とし、また、新し
い技術潮流を現場の課題解決につなげる研究開発に取り組むなど(土木研究所は東京大学とともに202
2年度good digital awardの防災/インフラ部門優秀賞を受賞)、期待される幅広い任務を、私たちの総
合力を最大限生かしながら果たして参ります。
 引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いし、本年が良い年となりますことを祈念して、新年の挨拶とい
たします。



令和5年1月          
国立研究開発法人土木研究所   
理事長 藤田 光一