国立研究開発法人 土木研究所

研究活動

地質・地盤リスクマネジメント技術に関する研究

研究の概要

 土木研究所では、福岡市地下鉄の道路陥没事故後の平成29年5月より、地質研究監、地質・地盤研究グループ長、特命上席研究員(道路防災)、地質チーム、土質・振動チーム、施工技術チーム、 トンネルチームの各上席研究員および耐震研究監をメンバーとする「地質・地盤リスクマネジメント研究会」で、地質・地盤に関わる事故やトラブルを最小化して安全かつ効率的に事業を進めるための仕組みの検討を進めています。
 H30年度からは、土木事業において発生しやすい地質・地盤リスクを見逃しなく発見する技術、適切にリスク評価する技術、さらにリスクに強い工法やその選定手法等のリスク対応技術を開発するため、以下の6課題で研究を行っています。

①主にリスクアセスメント技術に取り組む課題

  • 地質・地盤リスクマネジメントの基本体系の構築に関する研究

②主にリスク対応技術に取り組む課題

  • 地質・地盤リスクに応じた山岳トンネルの補助工法の選定に関する研究
  • 維持管理を考慮したトンネル構造の設計手法に関する研究
  • 新設橋の品質・信頼性向上方法の構築に関する研究
  • 岩盤を支持層とする杭基礎の調査・設計・施工法の構築に関する研究
  • メンテナンスを考慮した発生土等の品質管理手法に関する研究

研究の概要

主な研究課題の内容

【地質・地盤リスクマネジメントの基本体系の構築に関する研究】
・地質・地盤リスクの種別や発現機構の事例分析に基づく解析、事業の各段階でのリスク特定と評価の課題の抽出、引き継ぐべきリスクの情報の項目と表現方法の検討を行い、 地質・地盤リスクを見逃さず適切にリスクを評価するための手順や技術的な手法の提案を行います

【地質・地盤リスクに応じたトンネルの補助工法の選定に関する研究】
・脆弱な地山におけるトンネル施工では、地山の安定性を確保するための補助工法を採用することがありますが、地山や施工の不確実性等に起因する地質・地盤リスクを十分に認識しないまま補助工法の選定を行った場合、 様々な問題を生じる可能性があります。本研究では、これらのリスクを評価し、リスクレジリエントな対策として、合理的な補助工法の選定手法の提案を行います。