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テストハンマーによる強度推定調査 FAQ集

質問11 早強セメントを用いたコンクリートの品質管理で,レディーミクストコンクリート工場では,材齢7日で圧縮強度試験を行いました。これと同じ材齢で,実構造物のコンクリートの強度を調査できないでしょうか。

回答:

 テストハンマーにより測定される反発度は,コンクリート表面付近の含水率に大きく影響され(→質問3),含水率が高いと反発度が低く測定されます。打設後7日ごろでは,脱型からの日数がそれほど長くなく,コンクリートはまだかなりの水を含んでいると予想されます。したがって,材齢7日ごろに,「6つのポイント」で示した方法でテストハンマーによる強度推定調査を行っても,精度の高い推定結果を得ることはできません。

 ところで,国土交通省で実施しているテストハンマーによる強度推定調査は,できあがった構造物中のコンクリートの品質を簡易に検査し,明らかに問題のあるコンクリートが用いられることのないように確認することを目的としています。したがって,国土交通省で実施している調査に関しては,早強セメントを用いたコンクリートでも,材齢28日頃に設計で必要とする強度が得られていれば品質に問題ないものと判断して良いと考えらます。ただし,比較的初期から大きな荷重が加えられる構造物については,荷重が加わる時点でコンクリートが必要な強度を有していることを検証しなければなりません。テストハンマーによる強度推定調査とは別の品質管理手法を用いる必要があります。

 

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